IBMがさらなる買収を進めている。今回の買収先は、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアの大手ベンダーだ。
IBMは米国時間12月16日、BPM関連のソフトウェアおよびサービスを販売する非公開企業Lombardiを買収する意向を明らかにした。BPMの目的は、企業が主要なビジネスプロセスの自動化および統合を行うことによって、コスト削減と効率性向上を実現するのを支援することだ。これには、製品プランニングやサプライチェーン、製品調達、人事、ITサービスなどの分野が含まれる。
市場調査会社IDCの予測によると、BPMソフトウェア市場は2013年には30億ドル規模に達するという。2009年時点では17億ドル規模なので、年平均成長率(CAGR)は約15%となる。
「ビジネスの向上に関するあらゆる議論は、必然的に、全ての企業の根幹にあるプロセスの向上につながる」とIBMのアプリケーションおよび統合ミドルウェア担当ゼネラルマネージャーであるCraig Hayman氏は声明で述べた。「これを認識しているため、IBMは、これらの拡大するクライアント需要に応えるため、ビジネスプロセスおよび統合ソフトウェア分野への関与と投資を強化してきた。Lombardiは、この鍵となる分野において、弊社のポートフォリオを補完してくれる」(Hayman氏)
テキサス州オースティンに拠点を置き、欧州に複数のオフィスを構えるLombardiはこの数年間、記録的な売上高を享受してきた。2008会計年度には、Lombardiの売上高は前年比47%増となった。Lombardiの顧客層は、金融サービスや政府、医療、保険、製造、電気通信など多岐にわたっている。
両社とも今回の買収は良い組み合わせだと考えている。なぜなら、Lombardiの「Teamworks」開発および「Blueprint」文書製品は既にIBMの「WebSphere」環境で動作するからだ。さらに、両社の顧客やパートナーの多くは重複しているため、移行は円滑に進むはずだ。IBMは、両社のそれぞれの既存技術は変更されないとも述べた。従って、顧客は現行システムを今後も継続して使うことができる。
「LombardiはIBMと長きにわたる技術パートナーシップを築いてきた。われわれは、BPM分野においてWebSphere上で動作する製品を提供した最初のベンダー群の1つだった」とLombardiの最高経営責任者(CEO)であるRod Favaron氏は16日にブログで述べた。「われわれはIBMの長所を理解している。そして、われわれはIBMが弊社の長所を補完してくれることも分かっている。さらに、われわれは、TeamworksとBlueprintがIBMの全体的なBPMポートフォリオにぴったりとはまることも分かっている」(Favaron氏)
IBMはこの1年間、買収を繰り返すことで、企業顧客向け製品の強化を図っている。これまでのところ、IBMはデータディスカバリソフトウェア企業のExeros、データベースセキュリティ企業のGuardium、セキュリティプロバイダーのOunce Labs、分析や情報予測を手がけるSPSSを吸収した。
Lombardiは、規制当局による承認を経て、IBMに統合される。具体的な買収手続き完了の時期や金銭面の条件は、明らかにされていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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