米航空宇宙局(NASA)は米国時間12月8日、ハッブル宇宙望遠鏡により、宇宙をかつてないほど深くまでとらえた、近赤外線画像を撮影したと発表した。
「HUDF09」チームが2009年8月に撮影した同画像は、ビッグバンの6億年後に形成された銀河系を表すものである。NASAによると、これはこれまでに撮影された中で最古の銀河系であるだけでなく、この画像から抽出されるデータは、「宇宙の歴史における初期の形成期に、どのようにして銀河系が進化したかという疑問に対する洞察」を与えるものであるという。
ハッブル宇宙望遠鏡でこのような細部までとらえることができるのは、2009年に入って搭載された「広視野カメラ3」のおかげである。同カメラによって「近赤外波長」の光をとらえることにより、これまでの望遠鏡よりも深くまで銀河系を観測することができる。「非常に遠くの銀河系からの光が、宇宙の膨張によって、スペクトルの紫外領域と可視領域から近赤外波長へと引き伸ばされる」とNASAは述べた。
同画像は、普通の人の目には無数の光のようにしか見えないかもしれないが、NASAによると、同画像に含まれるデータを研究した科学論文が既に12件も提出されているという。この発見により、銀河系の形成と宇宙の歴史がさらに詳しく解明される可能性は高い。
しかし、このハッブル宇宙望遠鏡の画像は、ほんの始まりにすぎない。NASAは、ハッブル宇宙望遠鏡による観測について、「後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のための道を切り開いているにすぎない。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、赤外波長において、ハッブル宇宙望遠鏡よりもさらに遠くまで観測することができる」と記している。NASAによると、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げは2014年になるという。
それまでは、ハッブル宇宙望遠鏡から送られた素晴らしい画像を堪能することにしよう。細部にも注目してほしい。しかもこの画像は、宇宙のほんの小さな1部分を撮影したものにすぎないのだ。そのほかの部分にはいったい何があるだろうかと想像してみてほしい。
ハッブル宇宙望遠鏡による発見をもう少し詳しく知りたい読者は、こちらを参照してほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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