自分が所持する複数の金融機関の口座情報を1つの画面でまとめて確認できるサービスは、一般に「アグリゲーションサービス」と呼ばれる。国内では、ジャパンネット銀行などの金融機関も自前で提供しているが、対象になるのは口座を持っているユーザのみである。本サービスの運営元であるセブン銀行と野村総合研究所では、金融機関提供のアグリケーションサービスで、口座の有無にかかわらず利用できるのは、本サービスが国内初であるとしている。
登録できる金融機関は、2009年12月4日の時点で銀行が18、証券が15、FXが2、クレジットカードが17、その他が12。これは前出のジャパンネット銀行の「JNBアグリゲーション」に比べると半分程度。サービスがスタートしたばかりということもあってか、現時点ではそれほど充実している印象はない。
仮登録を経てログインすると、口座一覧画面に移行する。「金融機関の追加」ボタンをクリックして金融機関を選び、口座番号および暗証番号を入力したのち「登録する」ボタンをクリックすれば、口座一覧画面に残高が表示される。手持ちの口座すべてを登録すれば、このページにすべての資産が一覧で表示できるというわけだ。
ただし初期表示状態では、銀行の残高であれば普通預金と定期預金、証券では現金残高と株式がそれぞれ合算で表示されてしまうなど、内訳が分かりづらい面がある。クリックして展開すればこれらの明細はきちんと表示されるのだが、他のアグリゲーションサービス、例えば前出のJNBアグリゲーションでは初期表示状態で区別がつくようになっているだけに、表示方法は選択したいと感じた。このあたりは、利用者が総資産を表示したいのか、それとも自由に使える額を表示したいのかによっても変わってきそうだ。
このほか、クレジットカードの最新確定請求額が表示できるのは良いのだが、この請求額、つまり負債に当たる金額が銀行の残高欄と同じ列に表示されるなど、誤解を招きやすいレイアウトになっている。資産だと思って上から目視で合計していくと、本来はマイナスすべきところを足してしまったというミスが起こりかねない。サイトのデザインそのものは清潔感があって使いやすいだけにもったいないと感じる。
ともあれ、口座を保有しているか否かに関係なく利用できるだけに、国内ではまだ認知度が低いアグリゲーションサービスの便利さを体験するにはぴったりのサービスだ。まだスタートしたばかりということもあり、今後は対応金融機関の拡充に期待したい。
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