IMJモバイルが発表したクラウドサービスに関する調査結果によると、クラウドの認知度は非常に高く、売上高500億円以上の企業の4割以上が検討段階にあるという。すでに導入している企業も1割弱いた。
この調査は11月6日から11月9日まで、売上高10億円以上の企業に勤務し、IT関連業務に関与している正社員(全国の24歳以上の男女)を対象に実施したもの。インターネット上で実施し、有効回答数は400サンプル。
クラウドコンピューティングの認知度では、「詳細まで知っている」と「概要程度は知っている」の回答を合わせると51.3%と半数を超えた。名称を知っていると答えた人も合わせると、77.6%にのぼる。
クラウドサービスの利用状況では、「現在利用している」がパブリッククラウドで3.5%、プライベートクラウドで6.8%、「導入を検討している」がそれぞれ25.5%、39.5%となり、導入実績、導入検討ともにプライベートクラウドの方が多い。
売上規模別の利用状況では、パブリッククラウド、プライベートクラウドともに、売上規模の大きさに比例して導入検討の割合も高くなっている。売上高500億円以上ではパブリッククラウドが41.2%、プライベートクラウドが49.0%の企業で導入を検討している。また、プライベートクラウド構築に必要なシステムの仮想化では、全体の33.9%が自社サービスシステムを仮想化していた。このうち、システム全体を仮想化している企業は37.0%いた。また、一部を仮想化している企業も、時期未定を含めると71.7%の企業が仮想化の範囲を拡張することを予定している。
クラウドサービスの利用者に利用分野を、導入検討者には導入検討分野を聞いたところ、利用・導入検討ともにSaaS(Software as a Service:メールやグループウェア、CRMなど)が最も多く、次いでPaaS(Platform as a Service:セールスフォース・ドットコムのForce.comやGoogleのGoogle App Engineなど)、IaaS(Infrastracture as a Service:Amazon.comのAmazon EC2、S3など)となった。SaaSは行政での導入事例が世間に広まっているため人気があるようだ。SaaSの内容を見ると、ウェブサービス系(52.9%)より基幹系(73.6%)が多く、基幹系ではスケジュール、メール、メールセキュリティが多かった。
導入を検討している企業は、「導入コストが低い」「運用コストが低い」といったコスト面でのメリットに期待していた。一方、利用企業の不満点ではインフラの性能やサービスレベルなどがあがった。また、導入を検討する上での障壁は「データが外部に出ることが不安」「事例が少ない」「信頼性を維持できない」などの回答が多かった。利用を予定していない企業の場合、導入検討のきっかけとなる要素として「費用対効果モデル」「成功事例」「コンサルティング」などが挙げられていた。
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