アイティメディアは11月25日、米ON24との業務提携で、ウェブ上でのイベントや展示会を開催できる“バーチャルイベント”ソリューションの提供を開始した。
バーチャルイベントは、ウェブ上でイベントや展示会を開催し、ユーザーは講演を視聴したり、資料をダウンロードしたりできるほか、ほかのユーザーとチャットや商談なども行える。ユーザーは好きな時間に移動費用を掛けることなく参加でき、企業は出展コストの削減や顧客情報の収集ができるというメリットがあるとしている。
アイティメディアが提供するバーチャルイベントソリューションでは、ライブもしくはビデオによる講演や、資料をダウンロードできるリリースセンター、企業の担当者とリアルタイムでコミュニケーションを図れる展示ブース、ほかのユーザーとコミュニケーションを図れるコミュニケーションセンターなどを用意する。
ユーザーはバーチャルイベントに登録後、ON24からイベントのURLとパスワード、IDが発行される。バーチャルイベントに参加するユーザーは、プロフィール機能で会社名やメールアドレス、アバターなどを設定できる。
アイティメディア代表取締役社長の大槻利樹氏は、「アイティメディアがバーチャルイベントという新たな扉を開けて、ほかの企業に提案できるようにしたい。そして、パートナーシップで新たなマーケットを展開していきたい」と述べた。
アイティメディアでは今後、「リアルよりもバーチャルのイベントに重きを置く」(大槻氏)とし、2010年3月までにバーチャルイベントを2回開催し、2010年度には10回程度の開催を予定している。価格は、バーチャルイベントのインフラのみを備えた商品パターンが、1スポンサーあたり250万円としている。
今回、アイティメディアと業務提携したON24は、バーチャルイベントやウェブキャストを手掛ける企業。全世界30カ国のパートナー企業とともに、2009年には300ものウェブショーを開催している。
具体的には、Symantecが実施したアジアや欧州、北米でのセールスマン2500人を対象にした「セールスキックオフ」、IBMが中国での事業展開のために中国語で実施した「バーチャルトレードショー」、同じくIBMがオーストラリアで実施した500業種、815人の参加者による「キャリアフェア」などがある。
ON24 最高経営責任者(CEO)兼社長のSharat Sharan氏は、今後の展開について、「リアリティを追求し、TwitterやFacebookとのインテグレーション、モバイルデバイスでのサポートなどの研究を進めている」としている。
ON24が実施した調査によると、2009年の経済状況が与えたイベント出展への影響として、60%の企業が「リアルなイベントへの出展を見合わせる」と回答したという。また、「リアルなイベントの代替として、バーチャルイベントを実施する予定」と回答した企業も76%を占めたとしている。また、500人のマーケティング役員を対象に実施した調査では、バーチャルイベントで74%の企業がコストを抑えられる、50%の企業が時間を節約できる、82%の企業がグリーンITにつながると回答している。
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