2008年の国内ビジネス分析(BA)ソフト市場で日本オラクルが首位を堅持――。IDC Japanが11月19日に発表したBAソフト市場の調査から明らかになった。
IDC Japanは、BAソフト市場を分析。それによると2008年の国内市場は1241億2900万円で、前年比4.1%のプラス成長となっている。
同社は、BAソフトをデータウェアハウス(DW)プラットフォーム、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール、アナリティクスアプリケーションに分類して市場を分析。国内のBAソフト市場は、DWプラットフォームソフトが全体の約43%を占めており、日本オラクルのシェアがBAソフト市場全体の24.2%で首位を堅持していると説明する。
IDCが実施したユーザー調査結果によれば、BAソフトの導入率はDWが最も高く、平均導入率は15%。従業員1000人以上の大企業では約34%となっており、100〜999人の中堅企業では約14%、100人未満の中小企業では約4%と、大企業中心に導入が進んでいることが明らかになっている。
BAソフトの導入課題を分析すると、活用する際の業務知識の不足やシステム設計スキルの不足などが挙げられ、BAソフトと業務のマッチングに苦労している様子が見て取れるとしている。
この結果からIDCのソフトウェア&セキュリティグループマネージャーの赤城知子氏は、「BAソフトを提案するベンダーは、ユーザー企業がBAソフトの導入効果を明確に評価できるよう、業務部門とIT部門の両面から導入支援サービスを充実させると同時に、成果報酬型導入支援、投資対効果(ROI)や総所有コスト(TCO)などのコミット型導入支援サービスといった形で、BAソフト導入時のコスト面での障壁を下げるサービスを準備することが有効」と提言している。
昨年からの経済不況を乗り越えるために企業は、統合基幹業務システム(ERP)や顧客情報管理システム(CRM)、サプライチェーン管理システム(SCM)などのトランザクションデータとBAソフトを連携させたプラットフォームの構築、経営判断に活用する予見力強化を図っている。IDCでは、そうした需要がBAソフトの市場を拡大させていると見ている。
多くの企業向けソフトウェア市場がマイナス成長に転じて中で、こうした事情から、BAソフト市場は2009年も前年比で3.1%の成長を続けるとIDCでは分析している。また2008〜2013年の同市場は、年間平均成長率7.5%で推移して、2013年には1783億3600万円に達すると予測している。
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