オンラインオークション大手のeBayは米国時間11月6日、Skype部門売却提案をめぐる訴訟の和解を受けて、同部門の株式売却を実行に移すと発表した。
和解によって、Silver Lakeを中心とする投資家グループとの取り引きが再開され、Skypeのインターネット電話サービスを支えるソフトウェアのライセンスをめぐるソフトウェアメーカーのJoltidとの論争には終止符が打たれる。
さらに、この和解によって、SkypeおよびJoltidの創設者であるNiklas Zennstrom氏とJanus Friis氏も投資家グループに加わることになる。両氏はJoltid製ソフトウェアおよび「相当な資本投資」の提供と引き換えに、Skype株式の14%を取得する。
これにより、Silver Lakeとそのほかの投資家はSkype株式の56%を取得し、eBayは30%を保有することになる。Silver Lake以外の投資家には、初期のウェブブラウザ「Netscape」の開発で有名なMarc Andreessen氏によって創設されたベンチャーキャピタル企業のAndreessen Horowitzや、Canada Pension Plan Investment Boardが含まれる。
集団訴訟に名を連ねていたベンチャーキャピタル企業のIndex Venturesは、投資家グループには参加しなかった。
当初の合意条件にあったように、eBayは株式売却の完了後、現金で約19億ドルを手にするほか、買い手から約1億2500万ドルの額面の証券などを受け取ることになる。
Skypeの価値を27億5000万ドルを評価しているとeBayが述べる今回の取り引きは、今四半期中に完了する見通しだ。
Silver Lake投資家グループとJoltid、オンライン動画企業のJoostに関係する和解合意条件の下で、Skypeは今後も、過去にJoltidからライセンス許可を受けたすべてのソフトウェアの所有権を保有する。これにより、同投資家グループとeBayに対して提起されているすべての関連訴訟は、今回の買収完了をもって中止となる。
Zennstrom氏とFriis氏は2006年、26億ドルでSkypeをeBayに売却した。しかし、両氏は自ら創設した別会社のJoltidを通して、SkypeのPtoP技術に関する権利は保持し続けた。Joltidは2009年9月、Skypeが不正なバージョンのソースコードを入手して、不正な修正を加え、そのソフトウェアを第三者に開示したとして、著作権侵害で訴訟を起こした。
さらに、Zennstrom氏とFriis氏が創設した別の会社であるJoostも9月、その2カ月前にIndex VenturesのパートナーになったJoostの元最高経営責任者(CEO)Mike Volpi氏を相手取って訴訟を起こした。Index Venturesも、この訴訟の被告として名を連ねている。Joostの主張によると、Skypeの取締役会の一員だったこともあるVolpi氏は、Silver Lakeを中心としてSkypeの過半数株式買収を目指す取り組みにIndex Venturesが参加した際、機密情報を使用したという。
Skypeは第3四半期に、前年同期比約30%増となる1億8500万ドルの売上高をeBayにもたらした。Skypeには、5億2000万人を超える登録ユーザーがいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス