閲覧履歴から異なる商品をオススメ--シルバーエッグの新レコメンドサービス

藤本京子(編集部)2009年10月29日 19時23分

 シルバーエッグ・テクノロジーは10月29日、AI(人工知能)によるリアルタイムレコメンドサービス「アイジェントASP」をバージョンアップし、新サービス「アイジェントEC」として提供すると発表した。

 アイジェントECでは、いくつかの新しいアルゴリズムを採用している。中でも特徴的なのは、独自開発した「パスディペンデンシー」(Path Dependency:ユーザー動線追跡型)という技術だ。

 パスディペンデンシーは、それぞれのユーザーの動線をリアルタイムで追跡および解析し、同じ商品を見てもそのページにたどり着くまでの経路に応じて異なるおすすめ商品を動的にはじき出すアルゴリズム。これまでの一般的なユーザー行動履歴のレコメンドでは、似通った嗜好のユーザーのグループ化や似通った商品同士のグループ化を基盤としており、レコメンド結果が単一的になるという問題があった。シルバーエッグでは、パスディペンデンシーによって「複雑な現代人の嗜好に対応できる一層パーソナルなレコメンドが実現する」としている。

 また、アイジェントECは強化学習アルゴリズムも取り入れている。このアルゴリズムでは、ある商品Aに対しておすすめされた商品Bがクリックされた、またはされなかったという事象を、商品AB間の相関の計算に取り込む。クリックされた場合は相関が高まり、されなかった場合は相関が弱まるという計算だ。こうした知識を蓄積し、相関の精度を高めるという。

 アイジェントECではさらに、購買に至らなくとも閲覧だけで相関を作成する。これまでは、購買された商品同士の相関や、購買された商品と閲覧された商品の相関といったように、購買行動がからまないと商品間の相関が作成されなかったが、アイジェントECでは閲覧されただけの商品同士でも相関を作成するため、「新商品やニッチな商品など購買データの少ない商品もおすすめできるようになる」という。

 アイジェントECの初期設定料は無料。月額利用料は成功報酬に応じた従量課金で、レコメンド経由の売上金額の5%(税別)となる。アイジェントECは11月16日より提供される予定だ。

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