10億ドルあれば、地球環境を救うことができるだろうか。George Soros氏はそう期待している。
億万長者の資本家で慈善活動家でもあるSoros氏は、自身の財産の一部をクリーンテクノロジに投資し、地球温暖化と戦うことを計画している。Soros氏は現地時間10月10日、デンマークのコペンハーゲンで開催された編集者フォーラム「Project Syndicate」で基調講演をし、新計画を発表した。
Soros氏によれば、同氏はクリーンエネルギーテクノロジに10億ドルを投資し、新しいClimate Policy Initiativeに1億ドル(向こう10年間にわたり毎年1000万ドルずつ)を提供していくという。Climate Policy Initiativeは、気候変動対策を促進する監視団体のような組織だ。
「地球温暖化は政治的な問題だ」とSoros氏は当地に集まった編集者に向けて宣言した。コペンハーゲンは、12月に世界各国の代表者が気候に関する新たな合意の策定会議を開く都市でもある。「地球温暖化を示す科学に議論の余地はない」とSoros氏は付け加えた。「しかし、誰もが必要だと分かっている目標を、われわれはどのようにして達成すればいいのだろうか。それは政治的な問題だ」(Soros氏)
いわゆる「クリーンコール(きれいな石炭)」テクノロジに投資してきたSoros氏にとって、よりクリーンな石炭の必要性は重大な問題だった。Soros氏は4月、PowerSpanに5000万ドルの資金を提供するコンソーシアムに参加した。PowerSpanは、よりクリーンな石炭の製造方法に関する研究開発を行う企業である。
それ以外の方面でも、Soros氏は2008年、同氏の投資ファンドがQterosに対し2500万ドルの資金を提供する予定であることを発表した。Qterosは、単一の微生物から、よりクリーンなエタノールを作ることのできる企業である。
Soros氏は10億ドルの投資予定先について、詳細はほとんど明かさなかった。しかし、Soros氏によると、同氏は利益につながる機会を探しており、さらに「投資が気候変動問題の解決に多大な貢献をすることを強く求めている」という。
クリーンエネルギーはSoros氏にとって重要な問題である。億万長者である同氏はこれまで、さまざまなスピーチやインタビューの中で、必要な目標としてだけでなく、世界経済を復活させる可能性のある目標として、代替エネルギーを開発することを奨励している。
もちろん、クリーンエネルギーはあらゆるところで、ますます人気のあるセクターになっている。ベンチャーキャピタル投資に関する最新のレポートによれば、現在、ソフトウェアやバイオテクノロジよりも、グリーンテクノロジに多くの資金が投資されているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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