サンフランシスコ発--サイバー攻撃の脅威に無縁の者はいない。それがたとえFBI長官であってもだ。
米連邦捜査局(FBI)長官のRobert Mueller氏は米国時間10月7日、Commonwealth Club of Californiaでの講演で、フィッシング詐欺にだまされそうになったことから、オンラインバンキングの利用を妻に禁止されたことを明らかにした。
同氏は、銀行からであるように見せかけた、「完璧に合法的」に見える電子メールを受け取った。そのメールは、いくつかの情報確認を求めるものだった。同氏はその指示に従いかけてから、「もしかしたら、これは得策ではないかもしれない」と気がついたと述べた。
「あと数クリックで、典型的なインターネットフィッシング詐欺に引っかかるところだった」と、Mueller氏は「間一髪で被害を免れた」ことを明かし、「注意が足りなかった」ことを認めた。
同氏はパスワードを変更し、この出来事を「教訓」として妻に伝えようとしたところ、妻は教訓を受け入れず、「わたしたちのお金なのよ。今後はあなたのインターネットバンキングを禁止するわ!」と言ったという。
7日にはこれに先立ち、ロサンゼルスのFBIが、「Operation Phish Phry」の一環として、米国およびエジプトにおいて100人を起訴し、カリフォルニア州、ネバダ州、ノースカロライナ州において33人を逮捕したと発表した。Operation Phish Phryとは、米国史上最大規模のサイバー犯罪調査である。
FBIによると、エジプトのハッカーらは、2つの米国金融機関をフィッシング攻撃の対象とし、盗んだ銀行口座情報を使用して口座に不正にアクセスし、米国にいる仲間と共謀してその口座から預金を引き出した罪に問われているという。
米国の被告人らは、不正にアクセスした口座から引き出した預金を振り込み、引き出すための銀行口座を開設する「使い走り」を雇ったとされている。被害にあった銀行顧客数は、数百から数千件にのぼるとFBIは推測している。
Mueller氏は、「過去最大規模の国際的なフィッシング詐欺だ」と述べた。
この詐欺の多くは、東欧で実施されていると同氏は述べた。ルーマニアにおける捜査を支援するために、FBIは、現地の警察当局の中に組織を設け、この1年間で同国と米国において100人以上を逮捕することができたと同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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