ウィルコムは9月24日、事業再生と財務体質の改善に向け、「産業活力再生特別措置法所定の特定認証紛争解決手続」(事業再生ADR)の手続きに入ったと発表した。
事業再生ADRとは、金融機関などの債権者に対して債権の回収停止などの依頼をするもので、当事者間の話し合いをベースに進められる。2007年に施行された事業再生手法の1つで、過剰債務を抱えた大企業などが主に利用する。
ウィルコムは事業再生ADRを申請した理由について、「高速モバイルデータ通信『WILLCOM CORE XGP』を展開していくにあたり、財務体質の抜本的な改善が不可欠と判断したため」と説明している。
具体的には、一定期間、債権者に対して借入金などの債務の元本残高維持を依頼するとともに、債務の弁済スケジュールを繰り延べてもらうことを想定している。債務の免除や、株式化(デット・エクイティ・スワップ)については現時点で想定していないとのことだ。
なお、今回の件に関して、同社のユーザーや販売店、メーカーなどには影響がないとしている。
ウィルコムは8月に社長交代し、元ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の久保田幸雄氏が新社長に就任している。また、PHSの契約者数は減少傾向が続いており、8月末時点で447万7000件となっている。
WILLCOM CORE XGPについては、10月1日にサービスを開始する計画。月額4380円で、上下最大20Mbpsの通信が可能になる。
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