ウェザーニューズ、業績好調を背景に株価上昇軌道に

 民間気象情報サービス世界最大手のウェザーニューズの業績が順調な推移をみせている。

 同社は、世界32都市15カ国・地域に展開し、600人を超えるスタッフにより24時間365日世界中の気象を毎日観測・解析・分析・予測をしている。生活に大きな影響を与える気象の変化を常にとらえ、高品質の気象コンテンツサービスを企業・法人向け(海運、航空、道路、鉄道、自治体、流通事業者など)および個人向け(携帯電話、インターネット、BS、CATV、放送局など)に展開している。

 同社が6月29日に発表した2009年5月期の連結決算は、主力の海運会社向け情報提供サービスなどが好調に推移したことが寄与して、営業利益21億2600万円(前期比15.7%増)、経常利益20億3900万円(同21.1%増)、純利益11億8100万円(同34.9%増)となった。ただ、売上高が114億3100万円(同2.8%減)と減収となったのは、放送局向けシステム納入など受注サービスを段階的に減らしたことによる。

 海運会社向けの航海気象は、タンカー会社からの新規契約の増加などにより、売上高は前年度に比べて5%増加した。また、交通気象(道路、鉄道、航空)では、西日本エリアでの新幹線へのサービスを提供したのに加え、首都高速道路・本四連絡道でのサービス拡大などが寄与して、この部門の売上高は前年度に比べて11.4%増となった。

 同社は、今期の2010年5月期の業績予想について、売上高122億円(前期比6.7%増)、営業利益26億円(同22.3%増)、経常利益25億円(同22.6%増)、純利益14億円(同18.5%増)と大幅増益を見込んでいる。これは、海事気象や交通気象の企業・法人向けサービスの順調な拡大に加え、ゲリラ雷雨の発生を注意喚起する「ゲリラ雷雨メール」の提供など個人向け市場でも新たなサービスを投入することなどで十分達成できるものと予想されている。

 同社は、7月21日、突然現れる“ゲリラ雷雨”による被害を軽減するため、ウェザーニュースサイトで、ゲリラ雷雨の危険性をリアルタイムに表示する専門サイト「ゲリラ雷雨情報」を開始するとともに、携帯サイト「ウェザーニューズ」で、ゲリラ雷雨の発生を30分前に通知する「ゲリラ雷雨メール」サービスの提供を開始した。

 「ゲリラ雷雨情報」は「ゲリラ雷雨防衛隊」(ウェザーニューズ会員)から寄せられる、日本の“今”の空の情報をリアルタイムに更新し、その雲の様子をもとに、ゲリラ雷雨の危険性を表示するものだ。

 同社の株価は2月23日に付けた年初来安値1011円を底に、25日移動平均線を下値支持線として順調に下値を切り上げながら上昇軌道を堅持してきた。8月18日に1798円の年初来高値を付けたあと、全般相場の調整もあり現在は小幅調整の状態にある。

 しかし、9月下旬にも発表が見込まれる2010年5月期第1四半期(2009年6〜8月)の決算発表をきっかけに、株価が再び上昇軌道に乗ることが期待される。先週末11日の終値は1639円。連結PERは13.8倍と依然として割安水準にある。中長期的には株価2000円台乗せを目指した展開が期待できそうだ。

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