OrangeとT-Mobileが英国事業を統合し、同国最大の携帯電話会社を設立する計画だ。両社の親会社が現地9月8日に発表した。
この合弁事業は、市場の37%に相当する約2840万人の顧客ベースを抱えることになる。事業統合契約は11月に締結する見通しとなっている。名称はまだ明らかにされていない。新会社の最高経営責任者(CEO)にはOrangeのCEOであるTom Alexander氏、最高執行責任者(COO)にはT-Mobile UKのCEOであるRichard Moat氏がそれぞれ就任する予定となっている。
両社によると、事業統合にかかる費用は4〜6億ポンド(6億5500万〜9億8300万ドル)になる見通しだという。統合が実現すれば、重複する基地局および販売店の閉鎖、さらに、運営スタッフや顧客サポートの合理化などにより、2014年までに1年当たり約5億ポンドのコスト削減を実現できる見込みだ。
T-Mobile UKの親会社Deutsche Telekomの最高財務責任者(CFO)であるTimotheus Höttges氏は声明で、次のように述べた。「われわれは市場のリーダーになり、顧客は多くの面でその恩恵を受けられるようになるだろう。例を挙げると、顧客は、英国で一番のモバイルブロードバンドサービスを利用できるようになる」(Höttges氏)
「英国は欧州で2番目に大きな市場で、間違いなく最も厳しく、最も競争の激しい市場の1つでもある。われわれは、そうした市場において、T-Mobile UKに明白で強固な未来を与えているのだ」(Höttges氏)
事業統合契約には、T-Mobile UKとHutchisonによる3Gネットワークの合弁事業に対するT-Mobile UKの50%の出資も含まれる。T-Mobileのネットワークを利用するVirgin Mobileに今回の事業統合がどう影響するのか、または影響するのかどうか、明らかになっていない。
Deutsche Telekomは、2009年上半期に6億ユーロ(8億6000万ドル)の損失を計上した。前年同期は13億ユーロの利益を計上していた。
Orangeによると、同社の英国における上半期の売上高は25億4000万ユーロで、前年同期から2.6%減少したという。Orangeの親会社はFrance Telecomである。
事業統合の実現には両社株主の承認、さらに、英国および欧州の規制当局の認可が必要だ。英国のモバイル通信市場は、多くの人から非常に競争が激しい市場と見なされており、今回の事業統合が規制当局から問題視される可能性は低い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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