カカクコム、グループサイト全体が好調で業績上方修正へ

 8月入りと同時に反落トレンドにあったカカクコムの株価が、ここにきて反転上昇の兆しを見せ始めた。同社は、8月6日に2010年3月期第1四半期(2009年4〜6月)の連結決算を発表すると同時に、2010年3月期通期の業績上方修正を発表しており、今後株価面でもこうした業績への評価が次第に高まりそうだ。

 同社は8月6日、2010年3月期の連結業績見通しの上方修正を発表した。売上高を従来予想の120億円から127億円(前期比30.7%増)へ、営業利益49億円を51億円(同30.3%増)へ、経常利益49億円を51億円(同29.5%増)へ、純利益28.4億円を29億円(同27.7%増)へとそれぞれ上方修正した。

 同社の収益の源泉である運営サイトのトラフィックが計画を上回る水準で推移したことに加え、ブロードバンドの回線取次やホテル・旅館予約の運営サイト「yoyaQ.com」事業販売サポート業務の売上が好調であったことにより上方修正となった。

 また、本社オフィスの分散を解消し、業務効率の向上を図る目的で、今期中に本社移転を計画していることから、廃棄予定固定資産の減損損失及び本社建物の原状回復費用など合計7000万円の特別損失が発生することを見込でいるものの、通期の連結営業利益は29億円(前期比27.7%増)に拡大する。

 2010年3月期第1四半期(2009年4〜6月)の連結決算は、売上高31億3800万円(前年同期比44.1%増)、営業利益11億3600万円(同37.2%増)、経常利益11億3900万円(同36.5%増)、純利益6億6600万円(同39.2%増)となった。

 主力の購買支援サイト「価格.com」を始め、ランキングとクチコミのグルメサイト「食べログ」など複数のグループサイトが、月間利用者数及びページビュー数を伸ばす結果となった。同社では「各グループサイトがそれぞれグループ全体の業績をけん引することで、日本を代表するインターネット・メディア・カンンパニーとしての地位を確立しつつある」としている。

 今年6月度の同社グループ運営の各サイト利用状況は、購買支援サイト「価格.com」のパソコンによる月間利用者数1883万人、携帯電話による月間利用者数約144万人、月間総ページビュー数約6億9028万ページビュー。ランキングとクチコミのグルメサイト「食べログ」のパソコンによる月間利用者数約1026万人、携帯電話による月間利用者数81万人、月間総ページビュー数約1億8153万ページビュー。旅行のクチコミサイト「フォートラベル」のパソコンによる月間利用者数約355万人、携帯電話による月間利用者数約53万人、月間総ページビュー数約3406万ページビューとなり、グループ全体での月間利用者数約3838万人、月間総ページビュー9億3351万ページビューとなった。

 今後の展開としては、7月から賃貸物件検索サイト「スマイティ」を本格スタートしており、成果報酬型課金システムの導入により、豊富な物件件数を実現するとともに、同一物件の重複表示の排除、間取・写真の100%掲載、物件の正確な位置情報の掲載など、利用者視点のたった画期的な賃貸物件サイトを稼働させて、業績の拡大を目指す。

 同社の株価は、8月4日の高値39万5000円を付けて以降、下落傾向を辿っていたが、同12日の安値33万4000円を底に反転上昇の兆しを見せ始めている。中期的には、株価50万円を目指した展開が期待できそうだ。

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