普通の人が、普通に仕事をするための心得は、誰かが教えてくれるのを待っていても、誰も教えてくれない。仕事をしてお金をもらっている社会人として、普通に仕事をするために必要なことは、自ら学んで身につけるべきである。
本書には、本当に基本的なことしか書かれていない。しかし、その「基本」が身についていない人は多い。「あいさつをする」「与えられた仕事の本当の意味を考えて、行動に移す」「自分の給料が少ないと嘆くより、会社に貢献する方法を考える」など、当たり前だと思うかもしれないが、毎月決まった日に給料が支払われる生活を続けていると、だんだんと、給料は「自動的に」会社からもらえるものであり、自分のがんばりには関係のないことだという錯覚が生まれてしまうものだ。著者の古川裕倫氏の言葉は、そのような誤った感覚を現実に引き戻してくれる。
本書では、転職についても基本的な心構えが示されている。一度でも転職してみれば、自分の考えが甘かったかどうかは簡単に分かるが、そう何度も転職してやり直すことは、実際には難しいので、本書を読んで転職のリスクを減らしたい。
タイトルが「30歳までに」とあるが、30歳を過ぎていても、自分の今までを振り返り、これからに活かすために一読する価値はある。
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