モバイル受託開発のプリズムネットワークスは、モバイルサイトを携帯電話の機種に合わせて自動変換する専用サーバ「MiD-SITE」を2009年秋に発売する。価格は200万円以下となる見込みで、自社でモバイルサイトを構築したい大企業や、モバイルサイトの運用を請け負う事業者に向けて売り込む考えだ。
MiD-SITEはモバイルサイトのマークアップ言語を解析し、携帯電話の機種に応じて自動変換する。XHTMLやCSSを使ったサイトにも対応するという。また、通信キャリアによって異なる絵文字も自動変換し、スマートフォンなど絵文字に対応していない機種の場合には、プリズムネットワークスが作成した独自の絵文字を表示する。
画像を各機種に最適化して表示するエンジン「Aurora」も搭載しており、デジタルカメラなどで撮影された大きなサイズの画像もそれぞれの画面の大きさに合わせて縮小表示する。また、画像を切り出す「イメージクロップ」や2つの画像を合成する「イメージ合成」、画像上にテキストを合成する「テキストオーバーレイ」、画像の色をセピアなどに変えられる「イメージフィルタ」といった機能も備えている。なお、画像変換機能のみを備えた「MiD-IMAGE」という製品も発売する予定だ。
モバイルサイトのデータを機種ごとに合わせて自動変換するサービスはソフトウェアやASPでの提供が多いが、プリズムネットワークス代表取締役の姫野三樹氏は「特に課金システムを扱っている企業では、自前でシステムを持ちたいというニーズがある。ファイアウォールがアプライアンスになったように、自動変換技術も今後は専用品が求められてくるだろう」と語る。
他社と比較した場合の強みについては、サイトや画像の自動変換精度の高さと、価格の安さにあるとした。「100%は無理だとしても、90%以上の精度がなければ使ってもらえない」(姫野氏)。他社製品ではCSSの対応が不十分などの問題があるといい、MiD-SITEではそうした点もクリアしているとのことだ。
今後はCookieを擬似的に表現する技術や、Flash、動画への対応も進めていくという。バージョンアップはプラグインの追加などで実施する予定。将来的には、インドなど海外へも展開したいとのことだ
生産はトゥモロー・ネットにライセンス委託する予定という。今後5年間で5〜10億円の売り上げを見込んでいる。
プリズムネットワークスは2008年に創業した企業で、広島県に本社を置く。モバイルコンテンツやシステムアプリケーションの受託開発をしており、MiD-SITEは初同社の製品となる。
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