Acerは、「Android」ベースのネットブックという概念から手を引こうとしているのだろうか。
Acerが拠点を置く台湾の最新の報道によると、以前発表された「Windows XP」とAndroidを搭載するデュアルブート型ネットブックの生産が延期されているという。
このDigitimesの報道によれば、Acerは以前はもっと早い時期の発売を計画していたが、「より詳細な評価を行った結果、Android搭載ネットブックの需要はそれほど多くないことが分かったため、このモデルの発売を延期することに決めた」という。
同モデルは当初、8月にリリースされると発表されたが、現在、リリース日は11月まで延期されているとDigitimesは報じた。この情報の真偽を尋ねられたAcerの広報担当者は、「Acerはデュアルブート型ネットブックのスケジュールをまだ発表していない」とだけ答えた。
しかし、Digitimesの報道が正しいとすれば、それはAcerの本社で何かが変わったことを意味している。6月上旬に開催されたComputexで、Acerの幹部陣はAndroid搭載型ネットブックの可能性について非常に興奮しており、Acer製ネットブックの大半はMicrosoftの「Windows」に代わるOSとしてAndroidを搭載するようになるとまで話していたのだ。
「ネットブックは、コンパクトなサイズで、どこにいてもインターネットに簡単に接続できるように設計されている」とAcerのIT製品担当プレジデントであるJim Wong氏は当時述べていた。「Android OSは、信じられないほど高速なインターネット無線接続を提供する。このことから、Acerは顧客に更なる利便性を提供できるように、Android搭載ネットブックを開発することに決めた」(Wong氏)
GoogleのAndroidモバイルOSをネットブックに搭載するという概念は、2009年になって人気を集め、ネットブックメーカー数社が将来的にAndroid搭載型ネットブックを提供、あるいは少なくともその可能性を検討すると述べた。しかし、筆者の同僚であるDan Ackerman氏が述べたように、技術的な知識がほとんどない人でも極めて簡単に利用できることが売りのコンピュータに、比較的なじみのないOSを搭載することには、潜在的な問題がいくつかある。
だが、もっと重要なのは、Androidはネットブック向けに作られたのではないということだ。そして、Googleは7月、ネットブック向けに設計されたOSである「Chrome OS」の開発に実際に取り組んでいると発表した。さらにGoogleは、ASUSTeKやHewlett-Packard、Lenovo、東芝、AcerなどのPCメーカーと既に協力していると述べた。このことを考慮すると、AcerがAndroidから注意をそらしているのも合点がいく。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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