BusinessBlog&SNSWorld 2009、Next Advertising&Marketing 2009、3Dインターネット・ビジネスフォーラムの3イベントが7月16日から17日にかけて同時に開催された。初日の基調講演には電通イーマーケティングワンの執行役員パートナー、梅田仁氏が登壇し、同社のマーケティング診断サービス「Web 360」を紹介した。
梅田氏は、Twitterでイランの大統領選挙に関連した発言が「#iranelection」というタグをともなって投稿され、それらが市民メディアとしての役割を果たしていることを例に挙げ、「ひとつの革命といえるできごと。メディア、コミュニケーションの形が大きく変わってきている」と評価した。
ほかにもブログサービス、写真共有サイト、ソーシャルブックマーク、動画共有サイト、ソーシャルネットワーキングサービスなど、さまざまなウェブサイトにインターネットユーザーの発信した情報が散らばっている。
では、このようにソーシャルなサイトに拡散していく人々の意識、行動をマーケティングする方法はあるのだろうか。梅田氏は「インターネット全行動データ」に基づいた自社のマーケティング診断サービス、Web 360がそれにあたるとした。
Web 360は、ブラウザインストール型のプラグインによってインターネットユーザーの行動データを取得し、インターネット利用のすべてを追跡する。プラグインダウンロード数はInternet Explorerだけで120万回、アクティブユーザー数は30万人、1日平均レコード回数は2200万回にのぼる。取得できるデータは「どのIDの人が、いつ、どのURLにアクセスしたか」である。httpsへのアクセスも取得できる。
講演ではベビー靴下を買うという行動を示したデータが紹介された。あるインターネットユーザーが「ベビー靴下 サイズ」というキーワードでウェブ検索し、ある企業のコーポレートサイトを訪問したこと。その後、いくつかのECサイトを訪問し、ピンクやブルーの商品を見たこと。お昼にネットを一時中断し、午後はピンクとグリーンの商品を見たこと。翌朝はピンクの商品を見て、一瞬だけオレンジの商品もみたこと。最後にピンクを見て商品を購入し、さらに同じサイトで自分用の服も見たこと。
これらの行動データがWeb 360ではすべて取得できるという。「自社の製品が何で評価され、どこで買われたか、マーケティングプロセスが含まれている。ブルーの会社はお客さんが離脱後にどこ行ったかわからないだろう。それを知りたいはずだ」と述べた。
自社でコンバージョンしたユーザーと競合他社でコンバージョンしたユーザーが、どのような行動をしているのか。検索キーワード、よく利用するサイト、自社サイトに来る前の行動、自社サイトを去った後の行動、競合サイトでの閲覧コンテンツなどが把握できるという。
ベーシック診断パッケージでは、顧客構造分析、検索ワード分析、人気サイト分析、全行動分析、行動ベース・ペルソナ分析などを提供する。価格は5社限定で50万円からとなっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス