NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)は7月15日、インターネット接続時において、無線LANもしくは携帯電話網のいずれかを自動で選択し、接続する無線ルータ「Personal Wireless Router(PWR)」を発表した。8月から10月に実施するトライアルをもとに、年内の販売を目指す。
PWRはコグニティブ無線という技術をもとに、ルータ内に搭載されたチップが、屋内であれば無線LANを、屋外であれば3GやWi-Fi、HSDPA、EDGE、GPRSなどを自動で選択し、場所によって最適なネットワークでインターネットに接続するという。モバイルPCやスマートフォン、ゲーム機、デジタルカメラなどの無線LAN搭載機器に対応している。
また、IDやパスワードをあらかじめ登録することで無線LAN搭載機器ごとの設定を省く認証機能や、各接続方法を登録できるブックマーク機能などを搭載している。このほか、ADSLや光などの有線にも対応しており、自宅やオフィス、ホテルでの利用も可能としている。
サイズは、高さ95mm、幅60mm、奥行き17.4mmで、重さが約120グラム。バッテリ駆動時間は6時間を目標としている。今後はバッファローの無線LANシステム「AOSS」への対応を予定しているが、販売元などは未定。価格についてもメーカーや通信キャリアと共に決めていくとしている。
NTTBP代表取締役社長である小林忠男氏は、今回の発表について、「約1300万世帯の家庭と、約60%のオフィスで無線LANが使えると推測している。また、国内には約4000万台の無線LAN搭載機器があると言われている。しかしながら、将来的にコスト面を考えるとHSDPAチップが搭載されている端末は減少していくだろう。このような端末に対し、『PWRが1台あれば良い』という存在にしたい」とコメントした。
トライアルは8月下旬から10月31日まで、全国約500名のモニターを対象に実施する。モニターにはPWRの貸し出しのほか、HSDPAデータ通信サービスおよび対応プロバイダー契約、公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」および対応プロバイダー契約を無償で提供する。ただし、NTT東日本が提供する「フレッツ光ネクスト」「Bフレッツ」、もしくはNTT西日本が提供する「フレッツ・光プレミアム」「フレッツ光ネクスト」「Bフレッツ」に加入していることが条件となる。同社のホームページで8月21日までモニターを募集している。
また、PWRの利用シーンについて、アーティストでジャーナリストであるMorley Robertson氏は、PWRを身に付けながら全国各地を旅するという。その模様は、「Moritterプロジェクト」と題し、Twitterで紹介していくとしている。同氏は、「地球規模での人々とのコミュニケーションが、旅先でSNSや動画サイトを通じて即興的に更新できたらおもしろい。PWRを利用することで、ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを図りながら旅先などを決めていく」とコメントした。
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