エコへの期待、品質への不安?バイオガソリン発売開始

アイシェア rTYPE リサーチ2009年06月24日 12時41分

 温室効果ガス排出量削減に向けた具体的な施策のひとつとして、2009年6月より栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、長野の各都県でバイオガソリンの販売がスタートした。

 バイオガソリンは、植物を原料とするバイオエタノールをレギュラーガソリンに混入したもので、従来のガソリンと同様に使用することができ、価格や性能も変わらないという。すでに約900カ所のガソリンスタンドで販売が始まっているが、ネットユーザーの認知度や利用意向はどれほどだろうか。

 販売スタートから間もない6月4日〜9日に調査を実施。男女626名の回答を集計した。回答者のうち販売地域在住者は312名(49.8%)、非販売地域在住者は314名(50.2%)。

 日頃からエコロジー製品を選んで購入しているかを聞いたところ、「必ず選んでいる」と回答した人は3.4%と少数ながら、「ときどき選んでいる」は46.5%で、購入に前向きな回答が半数を占める。

 一方、「あまり選んでいない」は38.0%で、「まったく選んでいない」という人も12.1%おり、エコロジー製品の普及はまだ過渡期にあるといえそうだ。なお、女性と30代は購入に前向きな回答がやや多く、エコロジー製品への関心が比較的高い傾向がみられた。

 バイオガソリンの認知度については、「名前も特徴も知っていた」が36.9%、「名前は何となく聞いたことがある」が42.7%で、あわせて79.6%は「知っている」と回答。男性と30代では認知度がやや高い。

 では、実際の利用意向についてはどうだろうか。6月から一部地域でバイオガソリンが発売になったことや、その特徴を伝えた上で、「利用してみたいと思うか」を聞いたところ、「ぜひ使ってみたい」と答えた人は8.6%、「どちらかというと使いたい」人は19.5%、あわせて28.1%が利用に前向きな姿勢を見せた。

 一方、「どちらかというと使いたくない」人は15.8%、「全然使いたいと思わない」人は10.2%で、利用に消極的な人はあわせて26.0%。「車に乗らないので使わない」と答えた287名(45.8%)を除くと、利用に前向きな層が消極的な層を若干ながら上回る結果となり、特に女性と20代でその傾向が強くみられた。ちなみに、バイオガソリンの販売対象地域と対象外地域在住者とでも利用意向を比較してみたが、居住地域による違いはみられなかった。

 利用意向の理由を聞いたところ(自由回答形式)、「ぜひ使いたい」という積極派のほとんどは「エコ」や「環境」を理由にしており、地球にやさしいエネルギーとしてバイオガソリンに期待を寄せている様子。「どちらかというと使いたい」人も同様だが、利用の前提条件として「価格が安い」ことをあげる声も少なくなく、消費者の本音がうかがえた。

 一方、利用に消極的な人の大半は「車への悪影響」や「性能・品質」に不安を示しており、その他では「バイオガソリンの使用は本当にエコなのか」とその効果を疑問視する声も散見された。

 このように、バイオガソリンの利用に関してはまだ様子見の人も多い現状ではあるが、普及が進み、消費者から品質面での信頼が得られるようになれば利用に転じる人が増える可能性は十分にありそうだ。今後の動向に注目したい。

バイオガソリンの認知度について

 調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。

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