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液晶関連が回復の日東電工--コスト圧縮と成長分野開拓も本腰

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 日東電工の電子部材受注が順調な回復をみせており、これを反映して株価も戻り歩調を鮮明にしている。背景には、景気テコ入れを狙った家電製品購入への補助金導入などが功を奏して液晶テレビの販売が回復をみせているためだ。同社の今後の業績動向と株価推移について探った。

 同社は4月30日に2009年3月期の連結決算を発表し、売上高5779億円(前々年比22.5%減)、営業利益138億円(同82.2%減)の大幅な減収減益となった。これは、世界的な景気急減速を受け、昨年秋から液晶向け電子材料などの受注が減少したことから、第4四半期(2009年1〜3月)にかけて業績が急激に悪化したためだ。

 月次の売上推移をたどると、2008年11月が前年同月比37%減、同12月が同46%減、2009年1月が同51%減、2月が同44%減となった。ただ、3月は同37%減、4月は21%減と減少幅は縮小傾向をみせており、業績回復の兆しをみせ始めている。

 同社は2010年3月期の連結業績予想について、売上高こそ5400億円(前期比6.6%減)と小幅減少ながら、営業利益230億円(同66.2%増)、純利益130億円(同48倍)へと利益については大きく回復すると見込んでいる。

 今期は厳しい経営環境に対応するため、グループを挙げてのコスト削減に取り組む。キーワードは「無・減・代(むげんだい)」(無くす・減らす・代える)というもの。また、新たな成長を目指し「グリーン(地球環境への貢献)・クリーン(新エネルギーの支援)・ファイン(ライフサイエンス)」をキーワードに水処理用の高分子分離膜などの環境関連分野にも一段と力を入れていく方針だ。

 主力の液晶表示関連材料については、製造力強化とスリム化・合理化を追求し、原価低減に努力する。新興国でも需要拡大が見込める薄型テレビ市場に対しては、特に価格競争力のある製品を戦略的に展開する体制を目指すとしている。また、水環境関連で需要が拡大しつつある高分子分離膜では、新工場の稼働に伴い海水淡水化や、排水再利用向け物件への受注活動に注力する。

 同社がシェアトップを占める液晶パネル用の偏光板だけを取り出した月次の売上高は、2008年の12月が前年同月比で58%減と大底だった模様。その後は前年同月比での減少幅を徐々に縮小しており、2009年4月、5月とも前年同月比で11%減にまで戻りをみせている。

 これは、家電製品などの購入に13%補助金を支給する中国の“家電下郷”政策を受けて、液晶テレビの需要が増加しているのをはじめ、日本国内でも省エネルギー家電製品を購入すると割引が受けられる「エコポイント」制度の導入が功を奏して、液晶テレビの売上が回復傾向をみせているためだ。

 同社の株価は、2009年1月26日に年初安値の1627円を付けた後、ほぼ一貫して上昇を続け、6月11日には3020円の年初来高値まで上昇をみせている。その後先週は小幅調整となり、週末には2600円台まで下げている。今後は、液晶関連部品を中心とした電子部材の売上回復に伴って、中期的には株価も4000円台を目指す展開が期待できそうだ。

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