ノルウェーのOpera Softwareは現地時間6月3日、単なるブラウザの域を超えるという暗黙の目標を掲げた新バージョン、「Opera 10」のベータ版を公開した。Windows、Mac OS、Linuxに対応し、強力な機能でウェブブラウジング、電子メール、RSS、トレントを処理する(同社の用語を使うなら「Opera Turbo」で加速された)高速ユーティリティとなることを目指している。
Opera 10における変更点で最も目につくのは、英国人デザイナーJon Hicks氏が制作した新たなデフォルトスキンと、改良されたタブバーだ。Operaでは、最終製品版となるまで引き続きスキンに手を加えていくと述べている。タブバーでは、タブとロケーションバーの間にあるバーをダブルクリックするかプルダウンで開くと、各タブのサムネイル状のプレビューが表示される。プレビューはサイズ変更できるため、ごく小さい表示でタブの内容を目で確認したいというユーザーも、画面スペースを無駄に使う心配はない。バーを手動で調整し、ダブルクリックで閉じた場合には、前回の表示位置を記憶しないが、Operaブラウザを再起動すると前回同様に表示される。
Operaが今回のベータ版でも対応していない新機能に、ロケーションバーへの「スマート検索」機能の組み込みがある。「Firefox」と「Google Chrome」はいずれも、ロケーションバーの検索プロトコルにスマート検索機能を標準実装しているが、Operaでは今でも検索結果ページが表示される。ユーザーによっては気にならないかもしれないが、ここ数カ月間、主にFirefoxとChromeを使っていた私には、少々じれったく感じられた。
Opera 10の外観の調整は、「Speed Dial」やツールバーのカスタマイズが改善されたため以前よりも簡単になった。Speed Dialは一新されている。最大限に広げれば25ものウェブサイトを表示できるほか、背景画像も設定できる。また、Speed Dialをまったく表示しないよう設定することも可能だ。カスタマイズも簡単になった。任意のツールバーを右クリックすると、「カスタマイズ」オプションが表示される。ここから、ツールバーや検索ボックスなど特定のウィジェットを非表示にする、あるいはダウンロードの実行、スキンの即時変更、ボタンの追加や削除、パネルの追加や調整ができる。Operaは以前から、パネルに「Notes」(メモ)などの機能を持たせてきた。
ただし今回のバージョンではサイドバーを1つに統合し、このインターフェースのもとにすべてのパネルをまとめている。Notes、「Bookmarks」(ブックマーク)、「History」(履歴)、「Transfers」(ダウンロード)の各パネルに加えて、追加のパネルをダウンロードできる「Widgets」(ウィジェット)オプションが標準となっており、Facebookインターフェース、To Doリスト、Googleサービスマネージャなどのウィジェットを追加できる。
ブラウザの機能強化に加え、ユーザーは自身の電子メール、ニュースフィード、チャットを管理するパネルを作成できるほか、デフォルトのクライアントを別に選択し、これらのサービスをOpera以外で管理することもできる。ただし、Operaにデフォルトで用意されている電子メールクライアントが、ブラウザに組み込まれたものとしては使い勝手の良さで群を抜いていることは、特筆されるべきだろう。電子メールのフォルダツリーは折りたたみ式のパネルに違和感なく組み込まれており、メッセージを作成する際には新しくブラウザタブが開く。Operaの同期サービス「My Opera」と共に使えば、ユーザーはフル機能を備えた電子メールおよびウェブブラウジングを利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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