また、通常のロールプレイングゲーム同様のビジュアル、ゲームシステムでありながら「アバターレンタル」という仕組みを用いて体験の共有を実現したのが「魔法学園アヴィリオン(ブイシンク)」である。当作品でも通常のロールプイレイングゲーム同様に自分が主人公となってストーリーを進めていくわけだが、その際自分と共に戦うキャラクターは他のプレーヤーが作成し、育成しているキャラクター(つまり他のプレーヤーが操作している主人公)なのである。
逆に自分がプレイしない間に、自分のキャラクターも他のプレーヤーに連れ出され、戦い、倒れ、経験値やお金を獲得してくる。その結果は日記として後で読むことができ、連れ出した他のプレーヤーからコメントや御礼などが届くこともある。他にも武器防具などのアイテムをオークションで他のプレーヤーと売買できるなど、リアルタイムの時間共有ではないもののMMORPGのおもしろさが体現されていた。こちらも2004年の作品である。
2007年2月には「メルルーの秘宝(ドワンゴ「携帯ゲームオンライン」内)」がスタートし、戦闘時の横スクロールアクションゲームを他のプレーヤーとリアルタイムに共闘できるようになり、2008年3月には「悠久の騎士団ONLINE(ドワンゴ)」においては、フィールドマップ上の移動すらも他のプレーヤーとリアルタイムに共有できるようになった。
同じタイミングでログインしている他のプレーヤーと街中で出会い、冒険に出たならば、モンスターと対峙している自分の仲間たちは状況を判断しながら共に戦ってくれる(他のプレーヤーから見れば自分の行動がそう映る)。自分が瀕死の傷を負った際にヘルプサインを出す前に回復などをしてもらえると、小さな画面の向こう側にいる見ず知らずのプレーヤーに感謝の念が湧く。コミュニケーションに制限は多いが、逆に行動1つ1つによってコミュニケーションが実現できていたと言えるだろう。
このように、モバイルMMORPGは段階を経ていよいよPCのオンラインゲームに近づいてきたのである。
そして2008年5月には「イルーナ戦記Online(アソビモ)」が登場した。2007年に一般サイトとしてスタートしたイルーナ戦記Onlineは「3DMMORPG」。つまり、ついに登場した「PCのような」MMORPGである。当時「一般サイトに凄いゲームがある」と聞きつけ、テスト版をプレイした時の印象は強烈だった。
通常のロールプレイングゲーム同様に自分のキャラクターを作成し、ゲームにログインした先は3Dポリゴンで描かれたファンタジー世界。スタート地点は街であり、当然周囲にはさまざまなキャラクターが点在しているわけなのだが……それらのキャラクターの容姿は千差万別で、自分同様に自由に動き回り、他者と会話をしたり、集団で行動したりしている。そう、それらは自分と同じく、今まさに日本のどこかでこのゲームを行なっている「人間」なのだ。
現実世界同様、声をかければすぐに反応があった。自分はオフィスのデスクにいる社会人であるが、返答をしてくれている相手は学校にいる学生かもしれない。電車で移動中の男性かもしれないし、街角で待ち合わせ時間を潰している女性かもしれない。こうしたことは、PC版オンラインゲームやチャットでは当たり前のことなのであるが、キャリアポータル掲載サイトの多くがコミュニケーション機能に制限をかけているためか、携帯電話を通して行なわれるこのコミュニケーションの「生っぽさ」が非常に新鮮に映ったのを覚えている。
i-menuロールプレイングカテゴリーに彗星のように登場したイルーナ戦記Onlineは、初登場でベスト10入り。現在70を超える競合がひしめく中で「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」「ワンピース」に次ぐ第4位のゲームサイトとしてランキングされるに至っている。
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