IBM、マーケットプレイスを含む統合サーバ「Smart Cube」を発表

文:Larry Dignan(CNET News) 翻訳校正:編集部2009年05月20日 12時49分

 IBMは米国時間5月19日、中小企業(SMB)のIT部門向け機能を1つにまとめた統合サーバに関して、Intuitと提携したことを発表した。「Smart Cube」と名付けられたこのアプライアンスは、電子メールやカレンダー、セキュリティ、財務などの企業向けアプリケーションを、購入後すぐに利用することができる。

 IBMのSmart Cubeは、多くの点で、Appleが「iPod」で採用したモデルを模倣している。すなわち、密接に連携するソフトウェアとハードウェア(iPodと「Mac」)を、マーケットプレイス(「iTunes」)と統合していることを最大の売りとするモデルだ。Smart Cubeは、以下のものを含む「Smart Business」製品に統合されている。

  • 最も安いものは8000ドル以下という価格設定のSmart Cubeハードウェア
  • 顧客が企業向けアプリケーションをダウンロードできる「Smart Market」(現在のところ、17のソフトウェア企業が計48種類のビジネスアプリケーションを提供している)
  • Cubeおよびクラウドにあるアプリケーションを管理できるメンテナンス用ダッシュボードの「Smart Desk」
  • 統合されたIntuitの「QuickBooks Enterprise」

 IBMがSMBに売り込んでいるのは、Smart Deskは4つの手順を踏むだけで、すぐに使用できるということだ。マニュアルやインストール用CDは不要で、構成に頭を悩ませる必要もないという。Smart Cubeは、チャネルパートナーを通じて販売される。IBMは、「多くの小企業にとっては、これらの付加価値再販業者から購入することが望ましいだろう」と主張している。ただし、技術サポートはIBMが一手に引き受ける。

 IBMが狙っているのは、従業員が15〜1000人規模の企業だと思われる。QuickBooks Enterpriseがターゲットにしている市場は、従業員が20〜500人規模の企業だ。

 IBMのSMBに対する最大の売り文句は、同社のラインアップは統合作業が不要なので、SMBは労力と時間を節約できるというものだ。

 IBMのSmart Business部門のマーケティング担当バイスプレジデントを務めるMatt Friedman氏によると、Smart CubeはプリントサーバとVOIP、データベース、ネットワーク、ストレージ、バックアップの設定を統合しているという。

 Friedman氏は、「Smart Cubeはあらかじめ構成されたものというよりも、むしろ、150を超えるIBMの特許を工場で統合したものといった方が正しい」と強調した。同氏は、Smart Cubeについて、ソフトウェアとサービスをパッケージ化するための取り組みと見なしているという。同氏は、「私たちは複雑な作業を自動化した」と述べ、Smart Businessプラットフォームの目的は、「ERPからサプライチェーン、CRM、垂直業界向けアプリケーションまでを網羅する、すべての中核的なビジネスアプリケーションを実行することだ」と付け加えた。

 IBMは投資利益率(ROI)に関して、「SMBはSmart Cubeを使うことで、DellやHPが提供しているMicrosoft Windowsベースの類似製品を使用した場合と比べて、3年間で2万ドルを節約できる」と主張している。2万ドルの内訳の大半は、導入やメンテナンス、システムおよびソフトウェアの管理に伴う労力の軽減によるものだ。Smart Cubeは、Linux版とIBM i版の2種類を用意する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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