スタートを目前に控えた裁判員制度。2008年7月、12月に続く3回目の調査として、その認知度や意識等を探った。集計回答数は20代から40代のネットユーザー361名。
調査期間は、制度開始のほぼ1カ月前の4月22日〜27日。なお回答者のうち「裁判の当事者・証人になったりしたことがある」人は2.5%、裁判を「傍聴したことがある」人は6.1%。92.0%は「当事者・証人」になった経験も「傍聴」の経験もなかった。
5月21日のスタートについて聞いたところ、74.0%が「(裁判員制度は知っているが)開始日は知らなかった」と回答。「開始日を知っていた」人は全体の20.2%にとどまった。開始日の認知度は女性、30代でやや高め。制度自体を「知っている」人は94.2%に達するものの、5.8%は「裁判員制度のことを知らなかった」と答えている。
裁判員制度を「知っている」と答えた人に、その内容についてどのくらい知っているか聞くと、「なんとなくなら知っている」が79.1%。「詳しく知っている」とした人は11.5%にとどまり、名称は知っていても「どんなものかは知らない」が9.4%を占めた。
特に40代では「詳しく知っている」が6.1%と少なく、関心が低めのようだ。制度認知者のうち、裁判員制度についてインターネットで調べたことが「ある」人は19.4%。2008年12月時点の6.9%を10ポイント以上上回ったものの、大多数は「調べる」というアクションは起こしていなかった。
裁判員は原則として辞退できないことを伝えた上で、裁判に参加したいか「本音」を聞いたところ、「参加したい」と答えたのはわずかに15.0%。「どちらかというと参加してもいい」が19.9%で「参加したい派」は計34.9%。
一方「どちらかというと参加したくない(34.6%)」「参加したくない(30.5%)」を合わせた65.1%が『参加したくない派』という結果に。特に女性と40代では70%を超え、年代が高くなるほど「参加したくない」意識が強まる傾向にあった。
「参加したい派」の理由を複数回答形式で聞いたところ、「裁判に興味があるから」が54.0%でトップ。次いで「国民として与えられた役割だから(49.2%)」「専門家以外の視点でも判断したほうがいいから(37.3%)」といった順に。
30代では他の年代と比べて大きな特徴が見られ、「自分の判断に自信がある(21.6%)」が他を10ポイント以上上回る一方、「専門家以外の視点でも判断したほうがいいから(24.3%)」では他の年代を17ポイント以上下回っていた。
「参加したくない派」の理由(複数回答形式)では、「人を裁くのが嫌だから(52.8%)」が最多。2位は「トラブルに巻き込まれそうだから(44.3%)」、3位は「自分の判断に自信が持てないから(43.8%)」。「人を裁くのが嫌だから」は年代が上がるほど高い割合になり、逆に「トラブルに巻き込まれそうだから」「裁判に興味がないから」は低い年代ほど高くなっている。
開始間近の裁判員制度だが、開始日や詳細の認知者はまだ少なく、制度を肯定的に捉えている人も「多い」とは言いがたいところだ。この評価も開始後にはまた変わっていくのだろうか。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
■関連調査:裁判員制度に関する意識調査
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