D5000は、エントリー向けモデルの「D60」とプロシューマー向けモデルの「D90」との間に位置するモデルだ。「D90の中身をそのまま持ってきているが、使いやすさは下位モデルのD60から持ってきた。プロ・ハイアマが絶賛する高級機の機能や技術を誰にでも使いやすくして搭載したのがD5000」と田澤氏は言う。
「もっと簡単に、軽快に」「もっと本物感にこだわる」「もっと楽しめる機能をアピール」──この3つをコンセプトに開発したという。技術の出し惜しみはせず、既存のニコンユーザーやコンパクトデジタルカメラからの買い換えを考えている人をターゲットとし、“ユーザーの期待を超えるカメラ”を目指したという。
D5000には、ダイヤルを合わせるだけでだれでも簡単にシチュエーションに合った写真が撮れる19種類の「シーンモード」がある。「夜景」「パーティ」など、コンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズに搭載されているモードに加えて、D5000独自の「桜」「紅葉」「シルエット」「ハイキー」「ローキー」を搭載した。
開発者のお薦めモードは何だろうか。「桜がおすすめ。しかし残念ながら発売には間に合わなかった。みずみずしい写真が撮れるのでぜひ試して欲しい。紅葉は、日本人にしか受けないらしいが敢えて入れた」と明かした。
このシーンモードの搭載をめぐっては、50〜60種類のアイデア出しが行われたという。ボツになったアイデアとして「寺」「世界遺産」「60年代、70年代風モード」「テレビを撮るモード」などがあったと話す。
「シーンは足していったのではなく、引いていった。10人ぐらいで脂汗を流して考えた結果」という。搭載モードを決定してから何度も日帰りで撮影を重ね、最適なパラメータを決めたと苦労を語った。
このほかにも、「静音撮影モード」を搭載し、寝ている子供のそばや演奏会などで使えるシャッター音を小さくできる機能を備えている。カメラだけで、簡単に画像表現が楽しめる「画像編集機能」や魚眼レンズで撮ったようなおもしろい効果が得られる「魚眼効果」、写真の輪郭のみを抽出し、塗り絵用の画像に変換する「塗り絵」など、15種類の編集機能も持つ。
これらは、コンセプトとなる“もっと楽しめる機能”を意識したものだ。
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