先日、Confickerのような脅威が出現したこともあり、セキュリティはWindowsユーザーにとって今でも大きな心配事だ。「Panda Internet Security」や「Panda Antivirus」の発売元であるPanda Securityは、ウイルス対策を前人未踏の場所、つまりクラウドで実施しようとしている。「Panda Cloud Antivirus」ベータは、約3年間の開発期間によって、ユーザーのシステムをより強固に保護できるウイルス対策ソフトになることを目指している。Pandaはこの目標を達成するため、個人で使用する限りにおいては、Panda Cloud Antivirusを無料で提供する方針だ。ベータテスト終了後も無料のままだという。
Panda Cloud Antivirusは、Pandaが「Collective Intelligence(集団的知性)」と呼ぶ同社のプロプライエタリなクラウドコンピューティング技術を使って、ウイルスやマルウェア、rootkit、ヒューリスティックを検出する。Pandaによると、Panda Cloud Antivirusは何百万人というユーザーを利用して、新しいマルウェアをほぼリアルタイムに特定できるという。Collective Intelligenceは新マルウェアを6分以下で分類することが可能で、1日につき5万個以上の新サンプルを処理する、とPandaは話す。Panda Cloud Antivirusは、即座にスキャンしなければならない実行ファイルと、通常はコンピュータがアイドル状態にあるときにチェックされる優先度の低い非実行ファイルの2つに脅威を分類することで機能する。
Pandaは消費者データを使ってCollective Intelligenceデータベースを構築する代わりに、Panda Cloud Antivirusを無料で提供することに決めた、とPanda Securityのシニアリサーチアドバイザーを務めるPedro Bustamante氏は述べた。
報道によれば、Panda Cloud Antivirusのインストールには50Mバイトのハードディスク空き容量が必要で、使用時には17MバイトのRAMを消費するという。Pandaのデータによると、平均的なウイルス対策ソフトはインストールに60Mバイトのハードディスク空き容量を必要とするそうだ。また、Bustamante氏は、Panda Cloud Antivirusでは使用時のRAM消費量を12Mバイトまで減らすことを目指していると述べた。
クラウドコンピューティングはシステムリソースという観点から見れば意味のあることかもしれないが、コンピュータがインターネットに接続されていない場合、システムのセキュリティはどうなるのだろうか?「私たちが実装したこのモデルは、従来のウイルス対策をクライアントとサーバーに分割するものだ。従って、ユーザーはインターネットに接続していないときでも、ローカルに保存されたCollective Intelligenceのキャッシュコピーを利用することができる。このコピーには、Collective Intelligenceがコミュニティー内に拡散していると判断した脅威の検出記録も含まれる」とBustamante氏は述べた。
Panda Cloud AntivirusはWindows XPとWindows Vistaをサポートしており、Windows 7のリリース後には同OSにも対応する予定だ。Panda Cloud Antivirusは多くのユーザーに普及するまではベータ段階に留まるが、今夏の終わり頃までには正式版になることを私たちは望んでいる、とBustamante氏は付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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