JASRAC、公取委の排除措置命令の取り消しを求める--審判請求を申し立て

永井美智子(編集部)2009年04月30日 12時00分

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は4月28日、2月27日付けで公正取引委員会から受けた排除措置命令について、取り消しを求める審判請求を申し立てたと発表した。

 JASRACは排除措置命令について、「著作権および著作権管理事業の本質、ならびに日本の著作権管理事業者が置かれている現状を理解しないまま、私人間の交渉事項(市場)に介入するもの」としたうえで、「大局的な目でみれば、権利者のみならず利用者の利益をも害する」と抗議している。

 公正取引委員会は、JASRACが放送局と結んでいる著作権使用の包括利用許諾契約がほかの著作権管理団体の新規参入を妨げており、独占禁止法に違反しているとした。

 JASRACは審判請求において、以下の7点を主張している。

  • 音楽の著作物は基本的に代替性がない
  • 放送事業者が放送使用料が増えるのを避けるために、ほかの管理事業者の管理楽曲を利用しないということはない
  • 包括契約および1曲1回の個別契約の双方にそれぞれ存在理由がある。また、包括契約は海外のほとんどの著作権管理団体で採用されている
  • 包括徴収する使用料にほかの管理事業者分は含まれておらず、それは管理事業法の施行やほかの管理事業者が参入した前後も変わらない
  • 包括契約の対象となるJASRACの管理楽曲数は一定ではなく、年々増大している
  • 日本の放送使用料は、国際的にみて極めて低い水準にある。海外の著作権管理団体からの求めに従って、その改善に取り組んでいる最中である
  • JASRACはこの件について、排除措置命令という方法ではなく、公正取引委員会との協議を通じて実行可能で効果のある徴収方法を検討することが適当だと考えている

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