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欧州委員会、データ保護をめぐり英国に対する法的措置を開始へ

文:David Meyer(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2009年04月16日 12時45分
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 欧州委員会は、英国が欧州のデータ保護法を十分に遵守していないとして、同国に対して法的措置をとることを明らかにした。

 現地時間4月14日に開始された今回の措置は、BTが2006年と2007年にユーザーの承諾なくPhormの行動ターゲティング広告テクノロジを試験運用したことに対する苦情を受けてのものである。このテクノロジを用いることで、BTを始めとするインターネットサービスプロバイダーは顧客のウェブ閲覧行動を追跡できるようになり、個々のユーザーに対してターゲティング広告を行えるようになるのである。

 英国における個人情報保護法の遵守を監視する独立機関であるInformation Commissioner's Office(ICO)は2008年6月に、BTによるこの試験運用に対する調査はしないという判断を下していた。欧州委員会はその後、ZDNet UKに対して、調査は行っているものの、「重大な過ち」が発覚しない限り、BTおよびPhormに対する措置はとらないという英国政府の判断を問題視することはないと語っていた。

 しかし2009年2月、欧州委員会は英国政府が「Phormの件について、欧州法の遵守に関するICOの懸念に満足のいく対応をとらなかった」として、同国に対して公式な措置を開始する考えを明らかにした。

 そして公式な措置が14日に開始されたというわけである。欧州委員会は声明において、この手続きは、電子プライバシーおよび個人データ保護に関するEUの法律を英国が遵守するうえでの「複数の問題」に対する取り組みであると述べている。欧州各国はこういった法律の下で、ユーザーの承諾なく通信の傍受や監視を行うことを禁止することにより、通信の機密性を保証しなければならない。

 欧州委員会のテレコミュニケーション委員(Telecoms Commissioner)であるViviane Reding氏は声明で「インターネットの行動ターゲティング広告のような技術は企業や消費者の利益になる場合もある。しかし、欧州連合(EU)のルールに従って利用しなければならない。これらのルールは市民のプライバシーを守るために存在する。すべての加盟国が遵守しなければならない」と述べた。

 Reding氏は英国の関連当局に対し、国内の法律を変更し、通信の秘密保護について英国当局がEUの法律遵守のために自由に権利や制裁を行使できるようにするべきと主張する。

 Reding氏の広報担当によると、欧州委員会はPhormの事業そのものについては、有益な使い道もあるとして問題視していないという。

 「しかし、(Phormのようなサービスの利用は)消費者に判断をゆだねるべきである」(Reding氏の広報担当)

 英国の関係当局は、欧州委員会に2カ月以内に回答することになっている。

 ICOにZDNet UKがコメントを求めたところ、以下のような声明が得られた。「ICOはデータ保護法(Data Protection Act)、情報公開法(Freedom of Information Act)、プライバシーおよび電子通信に関する規制(Privacy and Electronic Communications Regulations)を管理、監督している。EUからの法的措置は、ICOの管轄外にある、通信の傍受に関係したものだ。通信の傍受に関係する捜査権限規制法(Regulation of Investigatory Powers Act:RIPA)はデータ保護法とは異なるものであり、ICOの担当範囲ではない」

 RIPAを管轄する英国内務省にコメントを求めたが、内務省の問題ではないとして回答は得られなかった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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