京都議定書の約束年が2008年からはじまり、多くの企業が事業の一環として環境対策に取り組むようになっている。生活者は企業のエコ活動をどう見ているのだろうか。30代から50代のネットユーザー430名の回答を集計した。
エコ活動を行っている企業があることを「知っていた」と答えたのは、全体の77.0%。男性と50代では79%を超え、認知度が比較的低めの女性や30代でも70%以上にのぼっており、企業のエコ活動が広く認識されていることを物語った。
エコ活動を行う企業の存在を認識している人に、「その企業がエコ活動を行っていることを何で知ったか」複数回答形式で聞いたところ、トップは「テレビCM」で、全体の77.0%、特に50代では80%以上にのぼった。
2位の「新聞・チラシ」は36.9%で、最も高い50代でも45.5%にとどまり、テレビCMの効果を証明した。以下、「企業のサイト」「テレビ番組」「インターネットのニュース」「インターネットの広告」が20%台、「雑誌」「ポスター」「吊り広告」が10%台で続いた。
性別、年代別でも、おおむね同様の順位だが、30代では「テレビCM」の比率が67.9%で50代を14ポイント近く下回り、同じテレビでも「番組」から情報を得た人が30%近くにのぼっているのが目についた。
また30代は「インターネットのニュース」の割合も他の年代より高く、50代とは10ポイント以上の開きがある。一方40代では「雑誌」が他の年代より高めであるなど、情報源によって年代差が表れていた。
「エコ活動をしている企業をどう思うか」聞くと、36.0%が「とても」、57.7%が「少し」、「好感が持てる」と回答。「とても」と「少し」を合わせると全体の90%以上、中でも女性と50代では実に96%前後が「好感が持てる」と感じていた。
その理由を自由に記述してもらったところ、「環境や自然に配慮している」ことを好ましいとする意見が多かった。また「社会貢献」や「利潤追求だけでない」企業姿勢を評価する声も複数。一方、「好感を持てない」とした少数派では「企業のエコ活動は当然」「特別なことではない」などの意見が見られた。
「好感が持てる」と答えた人に、具体的に「どんなエコ活動をしている企業に好感が持てるか」複数回答形式で聞いたところ。「廃棄物の削減」が68.1%でトップではあったが、2位以下の「リサイクルのための回収をしている」「リサイクル素材の使用」「CO2の削減」がいずれも65%以上で拮抗していた。続く「資源の節約」「梱包材の削減」「環境に優しい素材・天然素材の使用」も60%以上で、ほとんど横並びとなった。
女性と30代が比較的高い比率(70%前後)で「廃棄物の削減」「梱包材の削減」と答えており、ゴミを減らす努力を評価する傾向があるものの、全体としては、特定の活動より複数の取り組みを企業に期待している様子だ。
また、企業がエコに取り組んでいることが商品やサービスを購入する際の「選定理由に影響するか」との問いには70%近くが「影響する」と答えており、生活者のエコへの関心の高さをうかがわせた。
企業がCMや広告でエコ活動をPRしていることについては、72.2%が「とても」または「少し」、「好感が持てる」と回答。その理由(自由回答)として「企業のPRは消費者がエコに目を向けるきっかけになる」といった記述が多く見られた。生活者は、企業自体の宣伝より社会的な役割を果たしていることを評価しているようだ。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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