NovellとVMwareは、フランスのカンヌで開催中の「VMworld Europe 2009」にて、ソフトウェア会社と協力して「SUSE Linux Enterprise」ベースの仮想アプライアンスを開発するために提携関係を結んだと発表した。
両社が米国時間2月24日に出した声明によると、この提携の一環として、「VMware ESX」ハイパーバイザ上で稼働する仮想アプライアンスを「VMware Studio」を使用して開発する独立系ソフトウェアベンダーは、SUSE Linux Enterprise上にビルドされた「アプライアンスの評価版を無償で再配布」できるようになるという。
また両社は、「VMware Ready Program」の下でSUSE Linux Enterpriseベースの仮想アプライアンスを開発するサードパーティーベンダーを支援することで、インストールや設定をほとんど行うことなく使用できるVMwareフレンドリーな仮想アプライアンスの開発を促進したいと考えている。
NovellとVMwareは24日、これとは別に提携を結んだとも発表した。Novellは、同社の「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」が、VMwareの仮想化プラットフォームであるVMware ESXにおいて「完全にサポートされ、最適化された」ゲストOSになると述べている。
VMwareのアライアンス担当バイスプレジデントであるParag Patel氏は声明において、VMwareとNovellは今回の提携によって「より高い価値が生み出されることになるだろう・・・SAPのようなミッションクリティカルなアプリケーションも含めて完全な仮想化を求める顧客は増加しているのである」と述べている。
成長する仮想化市場において自社の立場を強化しようとする他企業の提携発表が、両社の今回の提携強化よりも前に行われていた。MicrosoftとRed Hatは17日、両社それぞれの持つ仮想化ソフトウェア製品のスムーズな連携を保証するための取り組みを発表した。その一方で、VMwareは24日、クライアント側のハイパーバイザに関してIntelと新たな協力関係を結んだと発表した。VMwareは世界の仮想化市場をリードする存在となっている。
また、NovellとVMwareはVMworld Europe 2009において、SAPとのさらなる協力関係を3月18日にローンチするとも発表した。これは、エンタープライズソフトウェア企業の顧客がUNIXから、VMwareで仮想化したSUSE Linux Enterpriseへと速やかに移行できるように支援することを目的としている。
24日には、VMwareとFujitsu Siemensも、SAP向けである「FlexFrame」の新バージョンの提供に向けて協力するという発表を行った。同製品は、「VMware Infrastructure」と、物理的なデータセンターインフラ、仮想化されたデータセンターインフラ、仮想ネットワークや仮想ストレージといったコンポーネント、「包括的なサービス」を1つのパッケージに統合するものである。
同日から販売が開始されているSAP向けのFlexFrameは、さまざまなQoSを提供している。その中には、SAPのアプリケーションコンポーネントの監視ツールや、ハードウェアの障害時に利用可能な任意の仮想/物理システム上で自動的にアプリケーションの再起動を行うツールも含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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