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ITホールディングスは経営統合効果で業績好調

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 情報・通信サービス大手のITホールディングスは、2008年4月の経営統合から10カ月間を経過する中で、未曾有の深刻な不況にもかかわらず、順調な業績推移をみせている。その背景と今後の株価動向を探った。

 同社は、2008年4月1日に、インテックホールディングスとTISをそれぞれ100%子会社とするITホールディングスとして設立した。同社が2月10日に発表した2009年3月期の第3四半期(2008年4〜12月)の連結決算で、営業利益は116億1300万円(前年同期比83.7%増)と大幅増益となった。前年同期の営業利益は、統合前の両社の前年同期の連結営業利益の合計額63億2200万円を基準とした。

 大幅増益となったのは、業種別売上高が全業種向けで増収を確保したことが挙げられている。また、事業部門別では、データセンタを活用して、受託運用サービスやシステムオペレーション、ネットワーク構築などのサービスを提供しているアウトソーシング・ネットワーク分野で主要顧客向けの売上高が増加した。ソフトウェア開発では、大型案件や新規案件の売上が寄与した。また、懸念されていたクレジット会社向けの不採算案件に伴う追加コストの発生も軽微にとどまることから、第4四半期も順調な業績推移が見込まれる。

 今回の3月期決算企業の第3四半期決算発表では、多くの企業が通期の業績見通しを大幅に下方修正する企業が目立つ(東証1部の3月期決算会社約1340社のうち約800社が業績を下方修正)中で、ITホールディングスは、2009年3月期の連結業績見通しを据え置いた。売上高3400億円、営業利益220億円を見込んでいる。第3四半期営業利益の通期予想に対する進ちょく率は53%にとどまっているものの、これは、季節要因で年度末近くの第4四半期に売上高の計上が集中するためだ。製造業では、設備投資、人員で削減の動きが相次いで表面化しているが、こうした合理化の動きはIT関連の投資が加速する可能性もありそうだ。

 同社は2010年3月期をスタートとする中期経営計画立案に向けて、中長期的な成長のための重点施策として(1)第1次中期経営計画の策定、(2)グループ事業シナジーの推進、(3)バックオフィス業務のシェアード化推進、(4)グループフォーメーションの整備、(5)情報システムの統合――を進めている。

 同社の株価は2008年10月28日に900円の昨年来安値を付けて以降、徐々に下値を切り上げる形で上昇軌道を描いている。先週末2月20日の終値は1169円まで上昇してきた。しかし、連結PERは9倍台、PBRも0.8倍水準とかなりの割安水準にある。9〜10月については、全体相場の下落に連動した下落で1700円台水準から、約半値まで下落した。しかし、その後は全体相場の軟調展開に引きずられることなくジリ高歩調を保っている背景には業績推移の背景があるためだ。今後は中期的に1700円台の回復に期待が持てそうだ。

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