スカパー!を運営するスカパーJSATは2月12日、2009年3月期第3四半期連結(2008年4月〜12月)の決算を発表した。世界的な金融危機による経済不安が広がる中、この変化をチャンスと捉え、営業利益、経常利益、純利益それぞれで黒字を確保した。これを受け2月13日、決算説明会を開催した。
営業収入は1078億円、営業利益は122億円、経常利益は111億円となり、いずれも前年同期比を上回る結果となった。純利益は同109億円から32億円となったが、同社では繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額の経常のため、としている。
経済環境は厳しいものとなったが、スカパーJSATでは、ユーザーと契約関係で結ばれているというビジネス形態をいかし、ほぼ業績どおりに推移したという。
加入件数は、デジタルテレビ普及拡大に伴う「スカパー!e2」が牽引し、新規個人契約件数全体で12万3000件。スカパー!e2では、2008年12月の無料体験申し込み数が約9万件と過去最高を記録した。さらに2009年1月も6万件を数えるなど、順調に推移している。
ただし、個人解約率は前年同期比1%から1.27%へと上昇している。同社では、解約するユーザーは月額支払い金額が1000円未満の少額支払い者が中心と分析しており、これはプロ野球やサッカーのシーズンオフといった季節的要因が影響しているとのこと。また、ユーザーの月額支払い金額は3500円以上の高額支払い層が全体の75%以上を占めていることも明らかにした。
今後の取り組みとしては、2008年10月にスタートした「スカパー!HD」の拡充を上げている。15でスタートしたチャンネル数は、2009年10月にアニメ、ドキュメンタリーなどを含む70チャンネルへ増強、2012年には100チャンネル体制へ向かう方針だ。
コンテンツ内容に関しては、2008年にシーズン契約数が過去最高を記録した「プロ野球セット」を2009年も準備しているほか、サッカーJリーグ全765試合生中継など、スポーツコンテンツをチャンスと捉えている。代表取締役社長の秋山政徳氏は「多チャンネル同時放映のニーズをフルカバーできるのはスカパー!のみ」と意欲を見せる。
なお、2009年3月期(2008年4月1日〜2009年3月31日)の連結業績予想は、営業収益は対前期比21.9%増の1480億円、営業利益は同28.8%増の145億円、経常利益は同20.6%増の130億円、当期純利益は45.1%減の50億円の見通し。
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