ITRは1月29日、「国内IT投資動向調査報告書2009」の販売を開始したと発表した。同社では2001年以降、日本企業を対象にIT投資動向調査を毎年実施しており、今回で8回目となる。
今回の調査は、リーマンブラザーズの破綻が起きた2008年9月に実施された。2008年度のIT予算の増減、2009年度の見通しを調べた。有効回答数は502社。サブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響を受け、企業のIT投資マインドが減退していることが明らかになっている。
IT投資の前年比を指数化した「投資指数」では、2008年度は前年より低い「+1.9」となった。これは2003年度と同水準。2009年度は過去最低の「+1.3」となることが見込まれている。
業種別で2009年度の投資指数を見ると、例年同様に「金融・保険業」が「+3.6」と最も高く、次いで「流通・小売・商社」が前年度よりも伸びて「+2.8」となっている。一方、「製造業」および「建設業・その他」は、ともに全体平均を下回る「+0.7」となった。また「官公庁・公共団体」では「−1.6」と、前年度よりも投資額が減少することが予想される。
2008年における、企業の売上高に対するIT予算額の比率は2.8%となった。企業が2009年度のIT戦略において重要視するキーワードとして、「売上増大への直接的な貢献」を挙げた企業が最多となり、「業務コスト削減」が続いた。
CIOの選任状況を企業規模別に見ると、従業員数1000名以上の「大企業」では過半数の51.6%でCIOが選任されていた。企業規模が小さくなるにつれて数字も低下している。
また、IT部門の正社員数について見ると、2009年度の計画で増員に積極的なのはサービス業および大企業で、サービス業の31.7%、大企業の29.7%が増員予定と答えた。ただし大企業の場合、減員を予定している企業も14.3%と多く、二極化すると見ている。
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