IDC Japanは1月29日、国内ビジネスアウトソーシング市場規模予測を発表した。2007年から2012年にかけて年間平均成長率(CAGR)4.8%で推移し、2012年には1兆円に達するとみている。
2007年の人事、カスタマーケア、財務/経理、調達/購買業務分野における国内ビジネスアウトソーシング市場規模は前年比5.8%増の8830億円。2012年には1兆1142億円となる見込みだ。
IDC Japanでは成長が見込める要因として3点を挙げている。1つは国内景気が厳しい局面を迎えており、企業の間接コストを削減する余地は少なくなっているものの、さらなるコスト削減に意識を向けていること。2つめは、人材の確保や育成が依然として企業の経営課題として挙げられていることだ。
3つめは、内部統制を中心としたコンプライアンス対応の必要性だ。特に財務/経理、調達/購買に関わる業務サービスは、コスト削減、コンプライアンス対応に必要な人材の補填といった需要があることから、2009年以降も高い成長を遂げると予測している。
ただし景気後退の影響は、定型・労働集約型のサービスに対する価格低下プレッシャーという形でも表れている。これは国内ビジネスアウトソーシング市場において大きな割合を占める人事、カスタマーケア分野の成長率を鈍化させる要因となっている。
ベンダーの収益悪化が懸念されることから、IDC Japan ITサービス マーケットアナリストである武井晶子氏は「定型・労働集約的な業務から、顧客満足度や売上向上を指標とした業務改善へとサービスの価値を変革させることが重要である。ベンダーは、業務全般に渡る包括的なサービスや、企業の人材確保/育成に寄与するサービスを通じて、企業の人材政策のパートナーとして関係を構築していかなくてはならない」と述べている。
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