任天堂の脳トレーニングゲームを調べた教授によると、これをやったからといって自分の子どもがノーベル賞の受賞に向けて順調に育っていると考えるのは改めたほうがよさそうだ。
フランス・ブルターニュ地方にあるレンヌ大学の認知心理学教授、Alain Lieury氏は10歳の子どものグループを調べた結果、「Big Brain Academy(「やわらかあたま塾」の北米版)」「Brain Age(「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の北米版)」などの記憶力を強化するといわれるゲームを利用した子どもに表れる効果は、宿題、読書、「Scrabble」、数独などのゲームをした子どもたちと同等、またはそれ以下であることがわかったという。
Brain Ageなどには、脳を活性化させ、脳の若さを保つことが目的とされるパズルが含まれている。
Times Onlineによると、Lieury氏は、「ニンテンドーDSは優れた技術でできている。ゲームとしてはすばらしい。だが、科学的なテストだと主張するのはいんちきだ」とコメントしているという。
Times Onlineによると、記憶に関する専門家であるLieury氏は、67人の10歳児を4つのグループに分けた。2つのグループは、ニンテンドーDSを使った7週間の記憶力コースに参加し、3つ目のグループは紙と鉛筆を使ったパズルをした。4つ目のグループは通常通り学校に通った。
子どもたちはその前と後に、ロジックテスト、地図上の言葉の暗記、計算、記号の説明などのテストを受けた。その結果、ニンテンドーDSを使っていた子どもが記憶力テストで著しく改善された傾向はなかったという。算数は19%改善したが、この改善率は、紙と鉛筆をつかってパズルをした3つ目のグループも同じだった。4つ目のグループの改善率は、18%だった。
「子どもで改善が見られないというのであれば、大人でも同じことだ」(Lieury氏)
もちろん、(長期的なメリットが証明されなくても)脳を鍛えることをうたうこれらのゲームをするほうが、一人称シューティングゲームやMTVを視聴するよりも有意義な時間の使い方と考える人も多いだろう。またLieury氏の研究結果は、少なくとも米CNETにおけるBrain Ageのレビューの内容とも合致する。これで脳が鍛えられるという証拠はないが、手ごろな価格で買える面白いゲームであると、ここには書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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