DNSキャッシュポイズニング、SQLインジェクション攻撃が増加中

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は1月26日、2008年第4四半期(10月〜12月)におけるソフトウェアなどの脆弱性関連情報の届出状況を明らかにした。

 2008年第4四半期の特徴は大きく2つ。1つ目は、DNSキャッシュポイズニングの脆弱性の届出が激増したことだ。これは、2008年7月に複数のDNSサーバ製品の開発ベンダーから対策情報が公開され、JPCERT/CCが注意喚起した「DNSキャッシュポイズニングの脆弱性」に関するもので、「実際に運用されているDNSサーバーに対策が実施されていないのでは」という旨の届出が9月頃から激増した。

 2つ目はSQLインジェクションの脆弱性の届出が増加したこと。これは、2008年3月にJPCERT/CCが注意喚起したSQLインジェクション攻撃に関するもの。ウェブサイトの情報の改ざんや非公開情報が公開されるなど深刻な被害が発生していることを受け、「実際に運用されているウェブサイトにSQLインジェクションの脆弱性があるのでは」という旨の届出が増加した。

 第4四半期の届出状況については、ソフトウェア製品に関するものが60件、ウェブアプリケーション(ウェブサイト)に関するものが1430件の合計1490件であった。2004年7月に届出受付を開始してからの累計は、ソフトウェア製品に関するものが861件、ウェブサイトに関するものが3514件の合計4375件となっている。

 ソフトウェア製品の脆弱性の処理状況では、JPCERT/CCが調整し、製品開発者が脆弱性の修正を完了したうえで、JVNにおいて対策情報を公表したものが22件。製品開発者が脆弱性ではないと判断したものが1件、告示で定める届出の対象に該当せず不受理としたものが16件であった。

 ウェブサイトの脆弱性の処理状況では、IPAが通知し、ウェブサイト運営者が修正を完了したものが201件、ウェブサイト運営者が脆弱性ではないと判断したものは5件、告示で定める届出の対象に該当せず不受理としたものは15件であった。

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