英国で新設されたサイバー犯罪の取締部門であるPolice Central E-Crime Unit(PCeU)は、ハッカーやオンライン犯罪から2012年に開催されるロンドン五輪を守るという任務を負ってきた。
PCeUは、Atos Originをはじめとするロンドン五輪へのIT供給業者と、ITバックボーンの安全性を確保するための話し合いをしている。このITバックボーンは、オリンピック公園でのワイヤレス接続や、競技結果を表示する会場の端末のみならず、1000台のサーバと1万台のPCもサポートする予定である。
PCeUの立ち上げにも関わった、警視のCharlie McMurdie氏によれば、PCeUと業界パートナーは現在、五輪のネットワークインフラストラクチャにおけるあらゆる弱点を洗い出しているという。このインフラは、英国の94カ所の会場からの競技結果を処理し、1秒以内に全世界に中継する。
McMurdie氏は、警察ではすでに、五輪の公式ウェブサイトと類似したアドレスをもつ詐欺サイトが現れており、人々から金銭や個人情報を盗もうとしていることを認識していると述べた。
「われわれはすでに、五輪を悪用した不正なウェブサイトを認識しており、ハッキングやDDoS(分散サービス拒否)攻撃に関連した恐喝として、どのようなものが考えられるかを検討している」と同氏はロンドンで開催されたIT Directors Disaster Recovery and Availability Summitで、silicon.comに対し述べた。
同氏は「これらの不正なサイトが、履歴書の提出を求めたり、五輪に向けたトレーニングのためと称して金銭を求めたりしている」と付け加える。
北京五輪開催中に、Atos Originは1日あたり1200万件のセキュリティアラートを処理した。同社は2010年に開始される、ロンドン五輪のシステムの試験に20万時間以上を費やす予定。
「われわれは過去の五輪から、攻撃の数と規模を理解しており、五輪ごとに、攻撃が増加していることを知っている」と同氏は述べる。
McMurdie氏は続けて、「われわれは、Atos Originやインターネットサービスプロバイダー、建築業界の人たちと、あらゆる脅威に関する情報を俯瞰できるようにするための話し合いをもっている」と言う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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