景気の減速はむしろ追い風--Skype、不況下での成長ぶりをアピール

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2009年01月09日 15時43分

 ラスベガス発--インターネット電話サービスのSkypeにとって、景気の減速はむしろ追い風になっている。

 Skypeの最高執行責任者(COO)Scott Durchslag氏は、世界最大級の家電見本市2009 International CESで開かれた記者会見で、人々が電話代節約の手段を模索しているため、Skypeの新規ユーザーが急増していると語った。

 Durchslag氏は「Skypeを新たに使い始める人が急増している。その理由は、消費者が(Skypeを導入すれば)大した費用をかけずに、バリューと質を手に入れられるからである」と述べ、さらに次のように続けた。「また、われわれは、ビジネス市場でも全く新しいビジネスチャンスを見出している。これまでSkypeのターゲットになるとは考えもしなかった企業が、解決策を求めてわれわれの元を積極的に訪れている」

 eBay傘下のSkypeは、ダウンロードして利用する電話ソフトウェア「Skype」を提供している。このSkypeソフトを利用することにより、他のSkypeユーザーとの無料通話が可能になるほか、携帯電話や一般の固定電話にも格安で電話がかけられる。また、同社は無料のビデオチャットサービスも提供している。Skypeによると、同ソフトの登録ユーザー数は3億7000万人以上に上るという。Durchslag氏は、登録ユーザー数は四半期毎におよそ3000万人ずつ増えていると述べる。そして、これらのユーザーがSkypeを使って何度も電話をかけているのだ。現在、世界の通話のおよそ8%がSkypeを使って発信されたものだという。

 Durchslag氏によると、Skypeは、通話時間から売り上げまで、ほとんど全ての尺度から見て、2007年からおよそ50%成長しているという。また、同社は7四半期連続で黒字を計上しているという。

 しかも、これらは全て、長く、暗い不況の影響で他のハイテク企業の業績が低迷する中で起こっている。苦しむ他企業をよそに、Skypeはサービスの拡大と新規市場の開拓を目指す。中でも、同社は、ビジネス市場向けの特別サービスの開発、ビデオサービスの強化、携帯電話市場でのプレゼンスの確立に好機を見出している。

 この事業拡大の取り組みの一環として、Skypeは同社のソフトウェア「Skype 4.0」の機能拡張版が2月についにベータ版から正式版に移行すると発表した。この強化版では、音声や画像の質が大幅に改善されているという。また将来、モバイル端末向けSkypeソフトウェアを提供することも明らかにした。このモバイル版Skypeは、Google Android携帯をはじめ、およそ100種類のJava対応携帯に標準搭載され、その中には米国で販売されている携帯も含まれているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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