IDC Japanは1月8日、2009年の国内IT市場に関する10大予測を発表した。世界経済の急激な減速とハードウェアの継続的な価格低下によって市場は縮小し、再び成長するのは2010年以降になるとしている。
厳しい市場環境の中で、ベンダーでは事業の見直しや国内市場からの撤退を余儀なくされ、企業間の吸収や合併も増加するとIDC Japanは予測する。その一方で、幅広い分野で仮想化技術の採用が広がり、システムインテグレーション事業の内容や構造に変化が生まれるほか、クラウドコンピューティングが実現するとのことだ。
IDC Japanの予測10項目は以下の通りとなっている。
- 国内IT市場は、これまでの拡大傾向から一変して縮小する
- 仮想化サーバとシステム管理ソフトウェアの拡大がシステムインテグレーター(SIer)の選別を促進する
- パソコンの急速な価格下落によって、主要ベンダーの事業撤退が起こる
- バーチャルクライアント化が進展し、サーバとストレージによる処理集中化への回帰が起こる
- モバイルPCの利用拡大と、携帯電話向けアプリケーションの増加によって、クラウドコンピューティングへの流れが加速する
- 部門単位のSaaS利用が拡大し、IT統制見直しの契機となる
- セキュリティ市場に新技術が投入され、システムインフラ整備の重要な要素となる
- データセンターのグリーン化への取り組みが本格化する
- 日本のITベンダーによる海外進出が加速する
- ITベンダーのコンプライアンスへの対応力が試される