「CDNはクラウドのクラウド」--ライムライトネットワークスCEO

鳴海淳義(編集部)2008年12月26日 08時00分

 コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)は、音楽や動画、ゲームなどの大容量コンテンツをストレスなく配信する技術だ。専用の高速回線ネットワークで結ばれた配信サーバを世界各地に設置し、エンドユーザーの位置に応じて最適な配信サーバが割り当てられる。

 Amazonも「CloudFront」というサービス名で参入し、いま注目を集めているネットの裏方サービスでもある。グローバルなCDNの第一人者である米国Limelight NetworksのChairman and CEO、Jeff Lunsford氏に市場の概観を聞いた。

米国Limelight NetworksのChairman and CEO、Jeff Lunsford氏米国Limelight NetworksのChairman and CEO、Jeff Lunsford氏

--CDNの世界市場のシェアは?

 市場によって異なります。メディアエンターテインメント分野だけを見ますと、弊社は20%を上回るぐらい、アカマイは50%ぐらいになっています。ただ、フォックスやNBC、BBCなどさまざまな放送関係の会社は通常、Limelight Networksとアカマイの両方を使っていらっしゃることが多いです。放送関係の会社に対してはお互い争っています。

--AmazonがCDNに参入しましたが、その動きについてはどのように見ていますか?

 Amazonはどちらかというと小規模なCDNで、クラウドを使っての参入になっています。

 一方、私どもではもっと大規模な、例えば先ほど申し上げました放送やEコマースなどで中心に使っていただくものになっています。ですので、Amazonとは市場がまったく重複しないと考えています。

--最近、GoogleやMicrosoftでクラウドというサービスが注目されています。それはCDNの市場にとってはチャンスになるのか、または競合の可能性があるのか、どちらでしょうか?

米国Limelight NetworksのChairman and CEO、Jeff Lunsford氏

 当然、これはチャンスになってきます。弊社はユニークな資産として、グローバルな市場で65のデータセンターを持っており、サーバの数は1万を超えております。

 先ほどおっしゃったように、確かにGoogleやMicrosoftはクラウドを提供していますが、私どもの設備は「クラウドの後ろにあるクラウド」を意味しています。

 一方、GoogleやMicrosoftは自社でグローバルなクラウドのインフラをつくる意図はありません。ですから、そのようなところがクラウドをどんどん提供することによって、クラウドの背後にあるグローバルなクラウドに対するニーズが出てくると思っています。

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