通信機器メーカーNortel Networksをめぐる情勢は悪化の一途である。
Nortelは米国時間12月11日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)から今後6カ月以内に株価が1ドルの下限を上回らなければ上場廃止になると通告を受けたという。The Wall Street Journalが報じている。
同紙は先週になってから、Nortelが破産手続きについて意見を求めていると報じていた。
ほとんどの企業が最近そうであるように、Nortelも現在の経済危機で痛手を受けているのは明らかだが、同社は2001〜2002年の通信業界のバブル崩壊から完全には回復していなかったという現実もある。
Nortelが抱える問題は、同社の主力製品が音声ネットワークを構築するための機器だという点にある。電話会社は過去10年の間に音声のみのネットワークの構築をやめインターネット技術を利用して音声とデータ、映像を運ぶ統合ネットワークへの移行を進めてきた。Nortelもそうした業界の変化に対応しようとはしてきたが、十分ではなかった。
長年にわたって戦略上の失敗を重ねた結果、同社の市場価値は大きく損なわれ、2000年に2500億ドルほどあった市場価値は今では2億7500万ドルほどに下落している。
Nortelは3年前、最高経営責任者(CEO)にMike Zafirovski氏を迎え、立て直しに取り組んだ。同氏はまず、無線機器を米国の電話会社に販売することで利益を確保することである一定の成功を収め、その後、新しい技術に投資し、無線ネットワークの新しい波に乗るべく準備をしてきた。だが、その途上で景況が悪化し、電話会社は支出を控え始め、そのためNortelの売り上げは急速に減少している。
Nortelは9月、さらなるコスト削減を発表し、一部の事業を売却すると述べた。しかし、そうした資産の買い手は今もって現れていない。ただし、Nortelにはおよそ26億ドルの現金があり2010年まではもつだろうと、一部のアナリストは見ている。
苦戦を強いられている大手通信機器メーカーはNortelはだけではない。Alcatel Lucentもまた、通信業界のバブル後の回復に取り組んでおり、12日には事業再編の一環として人員削減を発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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