Web 2.0という言葉は使われすぎている。この言葉は、単純にコンテンツを表示する以上のあらゆるウェブサイトに使われる、陳腐な言葉になった。会社がウェブサイトのルックアンドフィールを変え、AJAXを少し取り入れれば、それで即席のWeb 2.0ウェブサイトのできあがりだ。インタラクティブでかっこいいサイトが手に入ったことになる。
この言葉は、もともとはそういうものを指していたのではなかったが、今では基本的にはそうなってしまった。Web 2.0という言葉には以前は多くの意味があったが、今では意味のない言葉の1つになった。以前持っていた意味の中には、主にAJAXやその他の最新のウェブ開発言語を使って作られた、インターネットアプリケーションの機能を持つウェブサイトという意味があった。
RIA(Rich Internet Application)という用語は、この部分に入ってきている。
Web 2.0という用語は、多くのことを包含していた。Web 2.0という言葉には、サイトの作られ方の意味が含まれるだけでなく、そのサイトの中身についても含まれていた。Web 2.0には、基本的なルックアンドフィールだけでなく、ユーザーとのインタラクションやユーザーの参加の意味も含まれていた。
さらに、この言葉には新しい、より強力なウェブ開発のためのプログラミング言語を使っているという意味もあった。これらの言語やツールによって、ウェブ開発者はより強力なウェブアプリケーションを作成できるようになった。
RIAはWeb 2.0のこの部分に焦点を当てている。さらに、RIAの構築には従来のWeb 2.0のインターフェースやプログラムよりも多くのツールを利用できることもあり、Web 2.0を超える部分もある。Web 2.0は、AJAXと一部のFlashベースのアプリケーションを指していた。RIAには、より多くの選択肢がある。
RIAの考え方は、OSを意識しないアプリケーションを作ろうというものだ。RIAのやり方では、特定のオペレーティングシステムのためのコードではなく、ウェブブラウザの中で実行するアプリケーションを作成する。RIAは標準的なウェブサーバ上にホストされ、使っているOSに依存しない形で、クライアントのウェブブラウザで動作する。ウェブブラウザそのものも意識しなくてよいのが理想だが、大抵はそうはいかない。
プログラマーはみな、この「一度書いたものがどこでも実行できる」という聖杯を、コンピュータの夜明けの時代から追い求めてきた。C言語がこれを実現するはずだった。その後はJavaだった。そして、今ではRIAがその役割を負っている。
これまでの試みとは異なり、RIAの実現には多くのプラットフォームが利用できる。よく使われるのは、次のようなものだ。
XMLもまた、RIAの重要な要素の1つだ。XMLを使うことによって、アプリケーションは互いに話すことができ、簡単にデータを渡すことができる。
これらの開発環境の多くは、実行にウェブブラウザのプラグインかクライアントアプリケーションが必要となる。このことは、一部のマイナーなOSに対する移植性を損なっているが、それでも概してJavaやC言語のアプリケーションよりは移植性は高いと言える。
RIAの実例は増えてきている。その中でも評価が高いのは、Google DocsとMicrosoft Office Liveだ。実際に動作するRIAの他の例が知りたければ、Adobeが提供しているRIAを用いたサイトのリストを参照するといい。
この用語はまだ変わり続けており、ベンダーは自社の製品を販売しようとしてこの言葉を利用している。以下にTechRepublicとZDNetの、RIAに関する記事を挙げておく。
RIAについて扱っている、他のサイトもいくつか挙げておく。
RIAは、Microsoftの魔の手から逃れたい組織に新たなチャンスを提供してくれる。OSをバイパスすることで、RIAの開発者はアプリケーションの利用者層を広げ、エンドユーザーにクライアントの選択肢を与えることができる。RIAはまた、ウェブサイトに訪れたユーザーに「リッチ」な経験を与え、サイト上のユーザーの活動と相互作用を増やすことができる。もし社内でアプリケーションを開発しているのであれば、検討してみる価値はあるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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