加速度センサなしに端末の動きがわかる理由--KDDI研の新技術をCEATECで見た

永井美智子(編集部)2008年10月03日 19時31分

 加速度センサがなくても、携帯電話に搭載されたカメラで端末の向きや動きを検出する――そんな新技術をKDDI研究所が開発した。すでにプレスリリースは9月25日に発表されていたが、実物がCEATEC JAPAN 2008で展示されていたので、紹介しよう。

 「直感コントローラー」と名付けられたこの技術は、携帯電話のカメラからの映像を解析することで、動きを判別するというもの。例えば、正面を向いている場合と、斜め上を向いている場合では、カメラに写っているものの位置が異なる。この差分をもとに、どの方向にどれだけ動いたかを判別するという仕組みだ。

 最新の高機能端末では加速度センサが搭載されており、NTTドコモの「直感ゲーム」のように端末を動かして操作するものもある。しかし、逆に言えばそういったコンテンツは、最新機種でしか遊べない。もっと古い端末や、高機能ではない端末でも同じようなことができないかと考えて開発されたのが、この技術だ。

input.jpg 「直感コントローラー」を使った文字の入力画面の例。「さ」行を選んで端末を上に向けると「そ」が選べる

 説明員によれば、ソフトウェア自体は非常に軽いもので、2〜3年前に発売された端末でも十分動くという。ただ、カメラのフレームレートが低いと精度が下がる問題があるとのことだ。

 カメラからの映像を利用しているため、暗い場所では使えない。ただし、携帯電話のカメラに付けられたフラッシュを併用したり、端末のインカメラを使えば明かりが取れるため、大きな問題にはならないとのことだ。

 なお、直感コントローラはau端末で利用されているプラットフォーム「BREW」の拡張エンジンとなる。

 デモンストレーションでは、踊っている3Dの女の子をさまざまな方向から見られるというアプリや、iPhoneのフリック入力のように、端末を傾けて文字を選択し入力する方法などが紹介されていた。

girl.jpg 端末を下に傾ける(左)と女の子を上から見られる。逆に端末を上にかざせば(右)、女の子を下から見上げる図になる
panel.jpg KDDIブースではさまざまな直感コントローラーを使ったアプリが4種類紹介されていた

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