eBayは米国時間9月3日、予想通り、環境に優しいフェアトレード商品の消費者向けの新しいEコマースサイトを公開した。
環境や社会に関心を持つ消費者を獲得するため、eBayは、健康な生活と労働者の倫理的な扱いに関心を持つ人たちをターゲットにしている比較的新しいコミュニティサイトであるWorldofGood.comに新しいリテールコンポーネントを追加した。eBayがフェアトレード企業のWorld of Goodと提携して構築したサイトでは、公正な価格で取引されたコスタリカ産のコーヒーからロンドンの会社の毒物を含まないスキンクリームまで、幅広い製品を販売する。
今回の動きは、年商2060億ドルと推定される米国のフェアトレード、環境に配慮した製品を取り巻く市場に食い込もうとするものだ。この市場の草分け的存在の1社が自然食品店のWhole Foods Marketで、オーガニックコットンのベビー服からフェアトレードワイン、環境に優しいベッドスリッパまで、年ごとに販売する商品の幅を広げている。しかし、インターネットでは、市場は今でもばらばらな状態だ。eBayは、これらの商品に関心を持つ人たちに1箇所ですべてがそろうワンストップショップを提供したいと考えている。
eBayのプロジェクト担当ゼネラルマネージャーであるRobert Chatwani氏は、「eBayは、これまで非効率的だった市場で、消費者が製品に関する情報を得て、購入を判断できるよう支援することで、消費者の大きな需要を喚起できる」と述べた。
Chatwani氏によれば、eBayとWorldofGoodの違いは、消費者が、製品の原産地、製造方法、環境への影響といった、製品に関する情報をより多く得られることだ。
Chatwani氏がWorldofGood.comの着想を得たのは、3年前にeBayの従業員とインドを旅行したときだという。Chatwani氏らはインドで、オンラインで販売できそうな現地熟練工による品物を見つけた。そして、売り上げの一部を作成した職人に還元できると考えた。そこでこの構想を試したところ、うまくいった。eBayはその後、海外の地元の作品を世界で販売することで新興国の貧困を解決しようとするグループ、World of Goodと提携した。
eBayの従来のオークションモデルと異なり、WorldofGood.comは定価で商品を販売する。手始めに、約2万点の商品がWorldofGoodとeBayの両方に表示される。eBayはまず、米国でストアを立ち上げ、その後、ヨーロッパを皮切りに世界中に拡大する計画だ。
現在、商品は70カ国以上にまたがっており、Rainforest Alliance、Co-op Americaを含む25社のeBayパートナーから環境、フェアトレード認証を受けている。製品の製造者は、何らかの認証を受けなければ、製品をサイトで販売できない。
「消費者は眠れる巨人だ。彼らには、巨大な購買力がある。eBayは消費者に対して商品を購入し、社会的に好影響を与える新しい方法を紹介しているだけだ」(Chatwani氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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