IBMが、企業の「グリーン化」活動向けコンサルティングサービスに乗り出した。
IBMは米国時間8月18日、ネットワーク化されたセンサとデータ解析ソフトウェアによって業務で使用するエネルギーと水を削減する「Green Sigma」コンサルティングサービスの詳細を発表した。
Green Sigmaは、業務効率と顧客要件に重点的に取り組むLean Six Sigma管理戦略を基礎にしている。
自社施設とサプライチェーンパートナーで使われる水とエネルギーの量を数字で把握しようというのが、Green Sigmaの考え方だ。IBMと顧客のそれぞれ2カ所でこの手法を試行している。
使用量を監視し保全対策を実施することで、IBMは消費量を大幅に削減し、3億1000万ドルの節約となった。たとえば、在宅勤務プログラムによって3000万リットルのガソリンが削減できたという。
IBMと顧客のそれぞれ2カ所で行った試行では、使用量を監視し保全対策を実施することで消費量が大幅に削減された。その効果は3億1000万ドル。たとえば、在宅勤務プログラムによって800万ガロン(約3028万リットル)のガソリンが削減できたという。
企業のグリーン化支援はIBMにとって大規模な事業である。
企業に効率化を促している一因はエネルギーと水のコスト上昇だ。しかし、企業が温室効果ガスの排出を削減したり、企業の社会的責任(CSR)を果たそうとしたりする理由はそれだけではないと、IBMの業務戦略プラクティス担当グローバルリーダーを務めるDave Lubowe氏は述べる。
電力やガスなど大規模な汚染源となっている企業の多くは、今後5年以内の環境規制を予想している。一方で、CEOを対象に最近行われた調査によると、消費者は「(うわべだけの)環境広報活動」には否定的な反面、環境に優しい製品を求めているという。
「消費者は、お金の使い道についてますます積極的で活動的になっている。(CSRを通じて)慈善行為に寄付するだけでは不十分になっている」(Lubowe氏)
IBMのコンサルティンググループでは、まず業務を調査し、エネルギーや水の使用量を削減する余地の最も大きい分野を特定する。そして、使用情報を測定するセンサをポンプや設備に設置し、データを収集しダッシュボードに表示する。
アイルランドのダブリンの事業所で、IBMはエネルギー効率を20%改善したという。
大手メーカーはこれまでも長年にわたってエネルギー使用量の削減を模索してきたが、それでも、燃料や水のコスト上昇により、効率をテーマとするコンサルティングサービスがさらに登場してくるだろうとLubowe氏は述べる。
「これは、正しい行動をするということだけではなく、経済上の意味でも道理がかなっているということを意味している。これはとても重要なトレンドだと思っている」(Lubowe氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」