クラウドコンピューティングで空気がきれいになると誰が想像しただろう。
IBMは米国時間8月1日、ノースカロライナと東京に新たなクラウドコンピューティングデータセンターを建設すると発表した。総工費はおよそ4億ドル。ノースカロライナのデータセンターに関しては、およそ3億6000万ドルかけて同州Research Triangle Parkキャンパス内にある既存施設を改装する。IBMは、既存施設の「骨組み」の95%を再利用するとともに、同施設内の機材の90%をリサイクルし、さらに新たに導入する機材の20%が確実にリサイクルされることを目標としている。この新センターは2009年末までの完成が見込まれている。
またIBMによると、新データセンターの機械設備の効率性は業界平均よりも50%高く、年間の二酸化炭素(CO2)排出量を3万1799トン削減するのに等しいという。米環境保護庁(EPA)によると、仮にIBMがこの約束を遂行すれば、自動車5800台分の削減効果があるという。
東京のデータセンターは、ノースカロライナの新センターほかに、アイルランドのダブリンや中国の北京などにあるIBMの7つのクラウドコンピューティングセンターにリンクされる。
クラウドコンピューティングの空気浄化効果はさておき、IBMがクラウドコンピューティングサービス分野に参入したとしても驚く人はほとんどいないだろう。同社は、世界最大規模のコンピュータコンサルティングビジネスを展開しており、売り上げの大半をソフトウェアホスティングなどのサービスから上げているからだ。
Googleは、同社のウェブベースアプリケーションで消費者のニーズに応え、Amazonは新興企業向けホスティングサービスを提供し、さらにSalesforce.comなどは多くのオンデマンドソフトウェアを提供している。しかし、IBMがビジネスコンピューティング分野の有力企業であることはつい忘れがちだ。
IBMは2007年11月、複数のサービスをバンドルした「Blue Cloud」を発表した。また、4月にロサンゼルスで開催されたカンファレンスで、IBMの幹部らは、ホスティングサービスの提供は同社にとって新しいことではないと明言した。では、コンピュータ業界のほかの企業はどうか。IBMに言わせれば、彼らこそが新参者だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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