IBMは米国時間7月28日、ビジネスルール管理システム(BRMS)メーカーのILOGを、3億4000万ドルで買収する計画を発表した。
この買収により、IBMは、「WebSphere」ブランドにILOGを統合し、ミドルウェアソフトウェアの提供拡大が目指される。ミドルウェアとは、サーバがデータベースを稼動させたり、ウェブサイト上のソフトウェアが、アプリケーションを稼動させるサーバと連携したりするのをサポートするソフトウェアレイヤのことである。
IBMのビジネスプロセス管理(BPM)、ビジネス最適化、サービス志向アーキテクチャ(SOA)を、ILOGのBRMS技術と統合することで、IBMは顧客に対して、組織内に散らばる、あらゆる関係した情報をリアルタイムに収集し、迅速な企業の意思決定能力の実現をサポートする。
IBMのWebSphere部門ゼネラルマネージャーであるTom Rosamilia氏は「全業界の企業が、変遷する業況に対応するため、より柔軟にプロセスを管理できるテクノロジを求めている。ILOGのソフトウェアは、企業がより効果的に、意思決定プロセスの管理や自動化を実現可能にする」と、今回の買収発表で語っている。
ILOGの買収により、IBMは、対抗するSAPが用い、少なくとも1990年代後半には、SAPが5%の株式を取得していたベンダーに手を伸ばすことになる。
ILOGが2007年に発行したプロキシステートメントによれば、2007年のILOGの総売り上げの中で、SAPは取引先の最大手となる3%の売り上げを占めている。
IBMの広報担当は、同社が、ILOGとSAPの関係を断ち切ったり、ILOGの顧客に対して、どのソフトウェアベンダーを用いるべきかを限定したりすることはないと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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