トレンドマイクロ、クラウド型技術に関するビジョンを明らかに

文:Robert Vamosi(Special to CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年06月19日 15時28分

 Trend Microの最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるEva Chen氏は米国時間6月18日、クラウド内でのマルウェア解析を含む、同社の新しいビジョンを明らかにした。

 進化が遅く、世界中の膨大な数のシステムを感染させていた20年前のコンピュータウイルスとは異なり、今日のマルウェアは迅速に進化し、比較的少数のシステムに感染しながら、1日あたり数千もの新種を生成する。Chen氏は、従来のシグネチャベースのアンチウイルス手法では少し時代遅れのように見えることは認めたが、それでもパターンマッチングは、新しいマルウェアごとにヒューリスティックなチェックを実行するよりも高速であると主張した。より詳細で高速なパターン認識を実施するために、すべての未知の脅威に関する情報をクラウド内でアップデートするというのが、同氏の提案する手法である。

 Trend Microはここ数年間、世界中において堅牢なサーバを構築しており、それによって同社が顧客とする中規模企業に対し、さらなるSaaS(software as a service)ソリューションを提供してきた。現在は同社のネットワークサービスをエンタープライズ向けの新しいスイート製品2つに組み込む計画であり、将来的には家庭および小規模企業向け製品にその技術の一部を組み込むことになると思われる。

 Chen氏は、世界中で高速なインターネット接続が利用可能である現在、クラウド内でマルウェアを検索する方が、デスクトップ上にヒューリスティック分析を行うサンドボックス環境を構築し稼働させるよりも手っ取り早いと主張する。1つのサンドボックス検査にかかる時間は、後者で1〜2秒であるのに対し、前者では数ミリ秒で済むという。サンプル数を数千とすると、実行時間はかなり短縮されることになる。またすべての未知のサンプルを世界中から収集し、新しいシグネチャを世界中へ送信することが可能となる。

 Chen氏によると、新しいマルウェア1件を検出してから処置するまでの所要時間は15分間となる予定であるという。

 Trend Microは18日、2つのエンタープライズ向け製品を発表した。社内ネットワーク上のセキュリティ脅威を検出する「Threat Discovery Suite」(2008年第3四半期発売予定)と、将来の脅威に対する保護を目的とした解析とポリシーレビューを実施する「Threat Mitigation Suite」(2008年第4四半期発売予定)である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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