The New York Times紙は、FacebookやDiggからヒントを得て、同社ウェブサイトに新機能を追加した。それは「TimesPeople」という機能であり、現在はベータ版として提供されている。
TimesPeopleのユーザーは、友人のリストを作成することで、彼らが勧めたり、共有したり、コメントを付けたりしているニュースの「ニュースフィード」を見ることができる。Times紙のオンライン読者はこれまでも、ニュースにコメントを付けたり、レビューの掲載されたレストランや映画を評価することができたものの、友人に勧める機能は今回初めて導入されたものである。
TimesPeopleは現在のところ、Firefoxブラウザのプラグインとしてのみ利用可能であるが、ソフトウェアエンジニアらはCNET News.comに対し、将来的にはより幅広く利用可能にし、ダウンロードも不要になるだろうと語った。また、新機能の追加も行っていくということだったが、由緒ある同紙がMark Zuckerberg氏(Facebookの創設者)と競合しようとしているとは考えない方がいい。エンジニアらも、Times紙がソーシャルネットワーキング分野に主軸を移すのではなく、今後とも情報源であり続けるだろうということを強調していた。このことは、TimesPeopleのアプリケーションが非常に軽く、そして機能をできるだけ限定したかたちで実装されている理由である(ユーザープロフィールは、場所とユーザーアイコンに限定されており、ソーシャル機能によってもたらされるコンテンツは「ニュースフィード」ページとドロップダウンメニューに限定されている)。しかし、「Most Recommended(最もお勧め)」タブの内容が今後、Times紙サイトの表示する人気の「Most E-mailed(最も多くのお勧め電子メールが送信された)」記事のリストにまとめられる可能性はある。
NYTimes.comのウェブサイトにアクセスしなくても、RSSを用いて個人のアクティビティのフィードを購読したり、専用のiPhoneインタフェースを用いることで友人が更新した内容を閲覧したりすることができる。また、TimesPeopleのメンバーはFacebookと同期を取ることで、自らがTimesPeopleで更新した内容をFacebookのプロフィールにプッシュすることもできる。そして、あなたが傍観者の立場でいたいという場合には、自分自身のフィード更新をオフにし、友人のNYTimes.comへの更新を購読するだけにしておくこともできる。
多くの新聞社や出版社が、ソーシャルネットワーキングプロジェクトに取り組むにあたり、Diggといった既存のサイトとの提携という道を選んでいる。Conde Nast傘下のWired Digitalはさらに先を行き、Redditを買収した。批評家たちは、Times紙がソーシャルニュースのテクノロジを社内で構築することで、既存サイトのユーザーベースを取り込むチャンスを失ってしまっていると言うかもしれない。
しかし、この主張には穴がある。NYTimes.comのコンテンツは無償であるものの、一定量以上のニュースを読むにはログインが必要となるのだ。このため、Timesにはすでに何百万人分ものユーザーアカウントが蓄積されているのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」